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野良猫みなこが姿を消して2週間経った。
彼女は、我が家の庭に住みついていた。 最後に彼女を見た時、苦しそうに水を飲み ヨロヨロしながらも私のそばから逃げて行った。 「どこへ行ってしまったんだろう。」 あんなにフラフラ歩いていたんだから 重篤であったはずだ。 そんな心配もしていた最中、母から 「大変。猫が納屋の中で死んでて 異臭がしている。片づけて頂戴。」と 告げられた。 「みなこだ。」と確信した。 行ってみると無惨にも死体はすでに 他生物に浸食され、かわいかったみなこの 面影はなく、毛がべったりと異臭の源の 液体と混ざり合って寝床であった段ボールの 面に張り付き、それはもうただの有機物の 溶解状態と化していた。 大きなスコップでみなこであったものを 新聞でくるみ、庭に埋め、 悪臭を放つ段ボールをひたすら引き裂き 他生物に殺虫剤をまき、その痕跡を 消そうと奮闘した。 たかが野良猫だが、ずっと我が家の庭で 過ごし、愛嬌をふりまき、そして 1mの距離を保ち、最後の時もいつも寝床に していた場所で、苦しみながらも静かに 死を待ったんだろう。 変わり果てた姿であっても みなこと過ごした数年間の日々を思い いじらしく愛おしさで溢れた。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
May 8, 2010 12:20:34 AM
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