カテゴリ:あさのあつこ
珍しくノーマル本を読みました。しかも長女(小6)が小学校図書館で借りてきたもの~。
あさのあつこさんの『The MANZAI』1・2巻です。 あさのさんは「バッテリー」で有名な作家さんなので名前は知っていたのですが、 今まで読んだことがなく・・ でも娘が読書中に大笑いしていたので興味をひかれました。 長女は「バッテリー」の1、2巻も読んでいるのですが、何故か挫折。 「マンザイ」の方がずっと面白いというので、何で?と理由を聞いてみると・・。 娘:「男同士でロミオとジュリエットをやる」 私:「ナニそれ!漫画ネタっぽい!」 (喰い付きっ) 娘:「しかもかなりホモっぽい」 私:「そ、そうなの?!!」 (釣られた) 「それならバッテリーは?」 娘:「あれは全然ホモじゃない」 ・・とういことは、ウチの娘の面白い・面白くない基準は「ホモ度数」なのか?? もしそうなら遺伝子が悪いにちがいない・・(笑) というわけで鼻息荒く読書開始♪ そして3ページ経過した時点で・・・ホモ脳発動~!! なぜなら中学2年の男子が同じクラスの男子に交際を申し込み、呼び方を名字から名前に切り替えっっ!! ・・って実は漫才のコンビを組もうとしているだけなのですが・・ でも読み進めていくと、どーもそれだけでは絶対に無い! 「おつきあい」を申し込んでいる秋本少年はけっこう真剣に相方の瀬田歩くんに惚れていますし・・ とにかく年齢が高校生でHが付いていたら完全にBL本ですっ!!(腐) なぜなら攻タイプの少年・秋本は背が高いスポーツマン。 (瀬田に言わせると人懐っこいセントバーナード犬タイプ)。 私生児で母一人子一人という環境にもメゲズ明るく、面白く、前向きなポジティブ男。 そして瀬田に対する愛は直球で暇さえあればスキンシップと殺し文句のオンパレード。 頬をなでる、手を握る、肩を抱く・・ おまけにロミ・ジュリ劇本番で、あがった瀬田にチューをする・・(凄っ) 「おれ、お前に惚れてるんやないかと思うんだけど」 「歩は美人やで。おれ一目見たときからむっちゃ可愛いって思うたもん」 (「美人」ってBL用語なんじゃ??) 「おれにとってお前は特別なんや」 「いつでも側におるからな。お前のことだけは絶対裏切らへんからな」 ・・と書き出したキリがないほどの大量萌え台詞 (秋本は中学生とは思えぬ包容力~!) これに対して受タイプの瀬田くんは小柄で外見は可愛いタイプ。 が、自分の登校拒否が間接的な引き金となって、父親と姉を交通事故で亡くすというトラウマ持ち。 ちょっと神経質なネガティブ少年ですが、こんな彼が秋本の強引愛を嫌がりながらも拒むことができず・・ 結局重い過去から引きずり出してくれるのは秋本であり、ピンチの時守ってくれるのも秋本。 <秋本の声は太くて完全に男のものだった。それなのにみょうに色っぽくて僕は少しドキッとした。 膝に伝わってくる秋本の体温を暖かいと感じた> と、歩くんもマンザラではない様子なのでした・・。 というわけで2巻ぶっとーしで萌えっぱなしっっっ!! だったのですが・・ これって本当に児童書??? (ドキドキ) こんな素敵作品を小学生が読んでイイの?? (ハラハラ) でも作者様プロフィールには「児童文学協会会員」とか「日本児童文学者協会賞受賞」 と書いてあるし・・ 要するに私が邪まなだけですね(ハハ) さて、この作品は「萌部門」以外にも魅力はたくさん。 中でもクラスメートとの関係は面白く、ロミ・ジュリの漫才劇を作り上げる過程はかなり楽しい。 特に兄とのエピソードを引き合いに出した力強い森口がイイ味で、 しかも彼女は確実に『腐女子』。なので、共感が持てました~(笑)。 この他好きなのは秋本と瀬田それぞれの親子関係。運命に負けないお母さん達が素敵でした♪ それにしても表題が『The MANZAI』なわりに気が付けば漫才場面はほとんどなく・・ 要するに秋本の愛情表現を嫌がる瀬田という図式が漫才だったわけで・・ この2人の会話には<萌と笑>がたくさんでした。 さて、『The MANZAI』に3巻は存在しないのかと検索したところ・・ドラマCDを発見♪ 中井×石田さんで、ちょっと聴いてみたい! でも少々残念だったのはジャケットが小説と同じ挿絵だったこと(鈴木びんこさん)検索したら文庫の挿絵の方が好きで・・ でもどうせならBL漫画家の絵で見てみたかった(笑) 山田さん・国枝さん・こいでさん・依田さんあたりにお願いしたいです~。 この小説を読んで思い出したのが吉田秋生さんの「夢の園」に収録されている『ジュリエットの海』。 ロミ・ジュリ劇を男同士で演じる中学2年が出てきます。 こちらは可愛そうな結末でしたが、大好きなお話でした お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2007.10.12 16:37:00
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