カテゴリ:英田サキ
エス最終巻・残光を読みました。
3巻が非常に気になるラストだったため、かなり心配だった4巻。(3巻感想はここ) 発売前に英田さんブログで「残光」の予告を見ても安心できず・・ でも奈良さんの表紙と、それに添えてある文章が鳥肌立つほど素晴らしく かなりゾクゾクさせられました。 で、昨日早速ゲット♪大きく深呼吸をしてから読書スタートでした。 結果は・・ ヤレヤレでした~。 よくぞこれだけの八方詰まりを解決したもんだっ! と感心すると同時に宗近と篠塚のしぶとさと大きさに感動しました。 物語は前半が五堂vs椎葉、そして後半が五堂vs椎葉&宗近で展開し、五堂の不気味な生い立ちや、東明と宗近の駆け引きを絡めながらラストに向かっていきます。 「エス」は一般的なBLとは一味違った骨太な作品でした。 一言で言うなら椎葉昌紀という男の葛藤劇で、自分と向き合う心理描写が非常に多い。 それでもその心のグルグルを分かりやすく、読者を飽きさせず読ませる英田さんの文章は秀逸で 又、登場人物一人一人にドラマを持たせるのがとても上手いため、脳裏に焼きつくエピソードが満載。 全てのキャラが魅力的で物悲しいため、一人としてその情念を忘れることができません。 特に4巻は紀里の存在が大きかったです(呪われた血を残す彼女にはビックリでした~) さて、エスの中で1番好きなのはなんと言っても 宗近 私は守護系な攻が大好きなのですが、たいてい何処かダメダメだったり、へタレだったりする人が多く・・ でもこの宗近は全く非の打ち所がない!! 鬼畜な部分もありますが、理由に「愛」があるため許せてしまう・・。 とにかく人間が大きく、情が深く、やたらと侠でカッコイイっ♪ 恋人だけに愛全開で優しい「攻」というのは多々見てきましたが、この人の場合は誰にでも優しく懐が深い。 特に安東に対する態度と弟に対する態度がツボで、4巻では東明に対する捨て身の行動に驚き。 椎葉が弟に妬かないかと心配になりました~(笑) そんなわけでラストの五堂に対する決着でさえ、椎葉の手を汚さなかっただけでなく 五堂に対する優しさなのではないかと思えます・・。 そしてこんな宗近が椎葉相手に切れる場面が1番好きです。 「お前はなぜ俺から離れた・・っ」 この後に続く椎葉と宗近のやりとりには涙が出そうになり・・ 椎葉の憎しみや不信がこの宗近を丸ごと受け入れることで、溶けていく流れが感動的。 エスという関係を解消できた椎葉の勇気には拍手を贈りました♪ それにしても宗近・・これからどうするつもりなんでしょう?? もしや専業主夫に?? さて今回出番は多くなかったものの1番最強だったのは篠塚さん。 実はこの人にも恨み、憎しみの感情が吹き荒れていたわけで・・ もう少し心の内を椎葉に明かしてもよかった気もしますが・・ 4巻ではもの凄い影の実力者!実はヤクザより数倍恐ろしい人なんじゃないかと・・ とにかくカッコよかったです!! エスは当然宗近と椎葉の関係が1番面白いですが、事件や登場人物の謎を解いていく部分にも惹きつけられました。 そして物語の不気味で暗い雰囲気をより引き立たせたのが奈良さんのイラスト 構図と色がとにかく個性的で魅力があり、4巻の表紙と扉絵も凄く洒落ていました。 終わってしまって本当に残念ですが、小冊子は甘甘希望~♪ 今回は「腕枕」が凄く気に入りましたが、こんな感じでベタベタなのをお願いしたいです(笑) それとドラマCDも続編をっ!神谷さん、早く元気になって下さい! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2006.10.31 13:27:11
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