カテゴリ:英田サキ
英田さんの「さよならを言う気はない」を読みました。
又々ヤクザものです。 「エス」と「夜」シリーズがあまりにもよかったので・・ 別のヤクザさんはどーかな~・・と実は躊躇していた作品です。 が、非常に面白かったです!! 『さよならを言う気はない』は警察を止めて探偵業を営む陣内とヤクザ・天海の物語。 天海は17歳で実父を殺し、ヤクザの道へ。 陣内は刑事時代に天海に目をかけていたものの、父殺しもヤクザへの道も止められず、 その後天海が自分の部下を自殺に追いやる事態に・・。 二人は互いに惹かれ合いながらも素直になれず、12年が経過。 陣内は父殺しを止められなかった罪悪感、天海は陣内を辞職させてしまった罪悪感に縛られています。 物語はある事件をきっかけに進展していく陣内&天海の想いを描いていますが、 彼ら以外にも魅力ある脇役とエピソードがたくさん。相変わらず奥行きが深い英田小説でした。 この物語の1番の面白さは ヤクザが「受」 だということ。 極道と言えば「攻」なイメージが強い私ですが・・ 今回の天海は受で年下でメガネ美麗キャラ。 一方陣内は天海より8才年上で、男らしい外見ですが・・へタレ。 頻繁に天海に○○され、何回イカサレテいることやら・・ 天海はもの凄い襲い受なので、腹上死とリバに注意!!な陣内さんでした~(笑) 「さよならを・・」は全体的にお笑いテイストですが、天海が大そう一途で可愛いため切ないシーンも一杯。 普段は陣内に態度が大きく「三こすり半探偵」「ダブルクリック」と苛めまくっていますが、 実は常に努力を欠かさない己に厳しい人間。 陣内はこんな強がりで一生懸命な天海を心底いじらしく、可愛いと感じているため 結局関係を切ることができず・・ 思いっきり 父性愛 な物語に仕上がっていました この他気に入ったのは天海の部下・賀持と那波のアットホームぶり。賀持の焼くピーカンナッツパイが食べてみたくなりました~。 そして1番味があったのは刺青師のおじいさん夫婦。 「浮世なんてものは泡沫だ」というおじいさんの台詞が印象に残り、 刺青はされている人間が死んでしまえば消えてしまう芸術なんだと切なくなりました。 この作品は12/28にドラマCDが発売されるようです。 陣内拓朗:森川智之 天海泰雅:小野大輔 陣内はもう少しオヤジ声でもよかったよーな・・ モリモリだと声がよすぎ??でも何でもこなす人なので・・ きっとコンラッドのよーな包容力パワーが出るに違いない(笑) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2006.11.06 23:55:49
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