カテゴリ:榎田尤利
榎田さんの新刊「交渉人は黙らない」を読みました。
文句なしに面白かったですっっ!! 登場人物の会話は漫才チックでコメディタッチ。 脇も味があって、謎があって、主役の生い立ちは切なくって・・ とにかく軽さと重さが絶妙にミックス!まさに<萌と笑>の宝庫でした~ 「交渉人は黙らない」はネゴシエーター(交渉人)・芽吹とヤクザ・兵頭の物語。 二人はかつて同じ高校に通う先輩・後輩でしたが、芽吹が兵頭の管轄内に偶然事務所を開いたことで、十数年ぶりに再会。 芽吹に対する想いが甦ってしまった兵頭は先輩に仕事を依頼しつつ、口説きまくります。 物語は芽吹の仕事ぶりとアットホームなヤクザ達が面白く、ラブ以外の部分も飽きさせない魅力が一杯。 そしてなんと言っても好みだったのが 兵頭 (先ず兵頭って名前がね・・) 黒スーツにメガネ、年下攻で敬語で、執着型 (名前も寿悦ですよ、じゅえつ!!凄い語感な上に寿が悦に入るなんて・・ 親に捨てられた子とは思えませっん・・!) で、最も気に入ったのは敬語の中に混じる 『あんた』 「仕事ならなんでもするんですか、あんたは」 とかね・・。粗野な二人称がアンバランスでツボでした♪ そして1番萌えたのは 血まみれキスゥ~~ 当然歯茎から血が出たわけではありません・・・舌を噛んだわけで・・・ こーゆー激しいの大好きです♪ このお話はとりあえず芽吹が兵頭の気持ちを受け入れるところで終わっていますが、 完全に○○成就したわけではなく・・ 兵頭の歩んできた道やキヨの背景、伯田の人となりもまだまだ知りたいところ。 とにかく脇役でもドラマが1本できそうな雰囲気があるので・・ 絶対に続編を希望っ!! 芽吹&兵頭の事件簿をもっと増やして欲しいです。 榎田さんの小説を読むといつも感じますが・・ この作家さんのユーモアのセンスとお話の構成は本当に素晴らしいっ! 今回も先ず1ページ目の「派手なミッソーニ風セーター」という表現に 分かりやす~いと吹き出し・・ しかもこのプロローグは忠範という老人視点で描かれているため、その後もこの老人が何者なのか気になって、つい読んでしまう展開で・・ が、エピローグも忠範かと思うとそうではなくてキヨ視点。 さゆりさんや力士やピザや芽吹ブロマイドも爆笑でとにかく読者を飽きさせない。 1文字1文字丁寧に読んだ上に爆走読書をしてしまうという・・ 榎田さんがBL作家でよかったです!! そして更にこの物語を盛りあげているのが奈良千春さんのイラスト。 今回も表紙からナニからナニまで全て素敵~~♪ 奈良さんの絵は本当に独特の雰囲気があって引き込まれます。 小説内容を咀嚼してから描かれた感じもしますし・・ 今1番好きな挿絵画家さんかも で、この本で特に好きなのは表紙と題字の入った扉絵。 扉絵は高校時代の二人の様子が一目瞭然で、過去と現在を比較できる素敵イラストです♪ にしても、奈良さんでヤクザというとどうしても「エス」で 英田さんも漫才的な会話を書くのが上手い作家さんなので・・ ちょっと混乱しました(笑) でも好き作家さんと好きイラストレーターさんが組むのはやはり最高。 イイ仕事をしてるじゃないか、SHYノベルズ!! (←偉そう) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2007.02.27 21:22:34
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