カテゴリ:今市子
今市子さんの新刊『盗賊の水さし』を読みました。
この作品は「岸辺の唄シリーズ」の3冊目で、 オリエンタル色強いファンタジーです。 「岸辺の唄」 「雲を殺した男」 「盗賊の水さし」 どの本も1冊に3、4話のエピソードが収録されていますが、 共通しているテーマは「水」。 そして全てのお話に登場するのがエンとジンファという人物で・・ 彼らは水にまつわる物語に関わっていたり、只の通りすがりであったりと その立ち位置は様々ですが、一応主役的存在。 内容は昔話的な不思議ストーリーが多いので、 「百鬼夜行抄」と同様丁寧な読書が要求されますが・・ 読み出すと止まらない面白さと美しい雰囲気に溢れています。 今回1番面白かったのは、2話目の「苦い水」。 登場人物の因果関係が複雑で、けっこうホラーな展開。 とはいえ、ホラーなのは他のお話にも言えることで、 全体的に血生臭く、少々恐いエピソードが多いのですが・・ 中華風+韓国風+遊牧民風の衣装 と土地、 そして血を見る場面もサラっと描く今さんの技法に嵌められて、 綺麗で不思議な世界に浸ったという読後感しか残りません このシリーズで1番好きなキャラはエン。 エンは人間ではなく、鬼人ですが非常~に渋くカッコよい♪美しい相棒・ジンファともイイ関係です でも3冊目はちょっと出番が少なくて、婚約者のスリジャも登場せず・・。 私は1巻の第1話「岸辺の唄」が実は最も好きなので、 エンとスリジャのエピソードがもっと読みたい! (エンとスリジャは男女です。でも今さん作品なら男女ラブをめっきり受け付けないアタシでもツボ~) それにしても今さんのキャラはどんな作品でも色気と独特の雰囲気があります! この作品は大好きなオリエンタル世界なので、尚更登場人物にノックアウト。 立っているだけウットリできる絵がたくさんです お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2007.05.04 21:24:23
[今市子] カテゴリの最新記事
|
|