カテゴリ:聖なる黒夜
柴田よしきさんの「聖なる黒夜」上・下巻を読みました。
この本はサツキ701さんのお勧め♪ で、珍しくBLレーベルではないのですが メチャクチャBLでした!! しかも ものスンゴイ骨太な内容でヤバイほど面白かったぁ~~っ!! 多分今年1番、いや絶対1番だろう・・ とにかく息もつかせぬ怒涛の展開にエエエエ!と叫ぶこと数回。 あまりにも謎が多く、そして切ないために止められない止まらないの暴走読書 が、そのわりに読了まで4日もかかってしまい・・ 何故って上・下巻あわせた厚さが5センチもあったから~(約1200ページ) そしてもう一つの原因は頭痛。 内容に嵌り過ぎて血管切れそうにむさぼり読書するため・・ 1時間ぶっ通すと頭がガンガン 久しぶりに体を壊しかねない本に出会ってしまいました~ 『聖なる黒夜』はヤクザの殺害事件と過去の冤罪事件の謎に迫るミステリー。 が、ノーマル本だからといって侮ることなかれっ。 実は男同士の人間ドラマとゆーか愛憎ドロドロの恋愛小説。 登場人物はホモやバイのヤクザや刑事だらけで、全員おそらく34歳以上というオヤジ度数の高さ。 で、主役CPは刑事(麻生龍太郎)×ヤクザの男妾(山内練)。 麻生と山内はお互い惹かれあいながらも、麻生の過去の失敗とそれに対する山内の憎しみから 素直になれず、二人の関係は常に駆け引きめいた歪んだもの。 が、山内の麻生に対する復讐はそのまま彼の愛情表現でもあり・・ フェロモン垂れ流しで、繊細かつ大胆な練は正に 魔性の男。 とにかく目が離せないキャラでした。 一方これでもか、これでもかと押し寄せる皮肉な運命と、真実に翻弄される麻生も 悲哀あふれるオヤジ加減が最高 練に対する贖罪と愛情が誠実な人柄からにじみ出て、 練と共に堕ちて行こうとする姿が魅力的でした。 そして二人以外の登場人物も一人一人が重いエピソードを持ち、 その状況のリアルさと細かい心理描写には脱帽。 とにかくやり切れない不幸な巡り会わせと、愛情・嫉妬・憎悪・隷属心などの濃い感情が 怒涛ように押し寄せる、圧倒的に切ない小説でした。 甘甘・ラブラブなBLを求めると少々痛いかもしれませんが、 物悲しくも激しい面白さが痛さをカバーするのでお勧めの逸品。 「俺はいったい、どんな罪を犯したんだろう?」 と言う麻生と練のラストシーンは長く心に残りそうです。 この作品は冤罪事件がはっきりと解決しないまま、終わりをむかえています。なので是非続編を出して欲しいもの! と思ったら、微妙に続編めいたものを携帯サイトでやっていました(BIGLOBEケータイ書店)。 そこでは麻生さんが探偵事務所を開いていて・・・なんだか英田さんの世界(笑) という訳で「聖なる・・」はかなり英田サキ風味♪ とはいえこちらは2002年に書かれた本なので、英田さんが影響を受けているのかもしれませんが・・。 *余談 この作品はかなり夢中読みできました。体壊しそうに集中したのは正直「炎の蜃気楼」以来です(笑)。 愛=憎という関係はどことなく似ていましたし、大好きな英田さんの世界とも通じていました。 とにかくミラージュと英田さんがお好きな人には限りなくお勧め♪ 奈良さんの絵を頭に浮かべて読むと最高です!! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2007.10.13 07:59:11
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