カテゴリ:英田サキ
英田サキさんの「デコイ・迷鳥」を読みました。
この作品は8/29に発売された「デコイ・囮鳥」の後編。 (「囮鳥」感想はここ) 前編と同様ミステリー色が濃く、次々と登場人物の過去が明らかになる上に 新事実も浮上。 特に火野と那岐の子供時代の悲惨さと絆には驚きで、 火野の狂った情の深さが理解できずとも許せてしまう内容。 そしてもう一つの驚きはラストで篠塚兄さんと語らう人物の正体。 この場面で 題名の付け方とカッコよさに 感嘆しつつ、 「大事なものは、いつもこの手の中からこぼれ落ちていく。」 と独白する篠塚にはやるせなくなりました この他注目したのは那岐と加賀谷の関係。後編ではめでたくハッピーエンドとなりますが、 那岐の結論の出し方が過激で・・ それでもひたすら静観した加賀谷の我慢強さと包容力がステキです 結局14年前の爆破事件は那岐と火野によって報復され、 二人の正義は全く違えど因果応報さに納得。上手い話運びとしか言いようがありませんでした 一方椎葉のように踏みとどまれなかった安見はこの先どうなるのか?? 火野に翻弄され続ける彼には破滅的な未来が待っているような気がして・・心配ですっ 「デコイ」は「エス」と同様登場人物のほとんどが重過ぎる過去を背負っているため、 罪悪感、哀しみ、復讐心などの負の感情が目一杯。 が、その分内容は 骨太な心理描写が豊富で文句無しに面白い! 前編でバラバラだった謎が後編で一つにまとまり、時間移動するエピソードも分りやすくて秀逸。 奈良さんのイラストもインパクトがありまくり、今回特に好きなのは幼い二人の扉絵。 未来で袂を分ってしまう彼らを思うと切なくて、籠に青い鳥を入れてやりたくなりました。 *火野は途中から子安さんの声がしました~。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2008.09.07 20:14:44
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