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谷崎泉さんの『真音』を買いました。
谷崎本は随分前に「しあわせにできる」を2,3冊読んだことがありますが、 あまり嵌らずそれっきり(汗)。 が、萌友Keiさんのお薦めで5月の新刊だった『真音』にチャレンジ。 結果・・ 物憂い雰囲気とメインキャラ3人が背負っているであろう 後ろ暗い過去にたまらなく引き込まれ、ガツガツ読書。 全3巻を予定しているようですが、 とりあえず1巻は メチャメチャ好みでしたっ。 「真音」は母親の借金のせいで暴力団幹部の富樫と槙原に関わるようになった進藤の物語。 進藤は不幸な生い立ちのせいか感情の起伏が乏しく、 21歳のくせに静かなその日暮らしを望む、夢も欲も無い青年。 そんな進藤に一目惚れをした富樫は強引に彼を口説きまくり、 そんな富樫から進藤を守ろうとする槙原は微妙な△関係。 が、結局上司である富樫を槙原は阻止できず、進藤は××されてしまい・・ それでも「あんたのものにはならない」と言い切る進藤は男らしく、 富樫の方が可愛く見えてしまうラスト。 ヤンチャで掴めない富樫と、渋くて優しいオヤジィ槙原。 そして芯の強そうな進藤の今後が気になります。 この作品は借金、ヤクザ、解雇、ひき逃げ、強引セクハラと 進藤に辛い要素がてんこ盛りなのですが、 それとほぼ同量に富樫と槙原の人としての優しさもてんこ盛り。 なので、ほの昏い雰囲気でも嫌な気分にならず、 進藤を追い詰めているようで助けているヤクザ2人への興味が増量。 富樫と槙原の主従関係にも引き付けられます。 更に脇役のさめばあちゃんもイイ味で、 これまで人の温かさと無縁だった進藤には大切な存在。 そんな訳で薄幸な進藤にも少しだけ幸運な巡り会わせがあった1巻でしたが、 はっきりと明かされていない登場人物それぞれの過去や、暴力団の内部抗争は気になるところ。 書き下ろしの「富樫&槙原出会い編」の続きも含め、2巻が非常~に楽しみです! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2009.08.11 16:33:37
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