カテゴリ:高遠琉加
高遠さんの新刊『酷いくらいに』を読みました。
料理人見習いの広見は兄・克至の元恋人・秋に片想い中。 広見は足の不自由な秋を手助けしつつ謙虚に交流していますが、 結婚した兄が復縁を迫ってきた事で感情爆発 兄弟間の劣等感、弱者への優越感、そして同情とは違う対等な恋愛関係など 3人の色々な感情が交錯して、<漢>な広見が見事勝利 完璧人間な克至と、優しく清らかな秋の意外性が面白かったです。 「酷いくらいに」は前半と後半にお話が分かれ、 前半は広見視点、後半は秋視点で展開。 で、後半の「人の望みのよろこびよ」は広見に心身ともに頼ってしまいそうな秋の葛藤と、 仕事にも恋にも余裕がない年下君のすれ違いが描かれていますが・・ 脇役の女子高生が今一なため、どちらかというと前半の方が好き。 そして全体的に楽しかったのが広見の修行しているお店が ル・ジャルダン・デ・レーブとゆーところ♪ どうせなら挿絵も麻生海さんがよかったですっっ。 高遠さんの文章は大きく頷ける一文が時々ドキッと出てくることがあって、 今回は最初の1行。 <神様がいないことなんて、朝に新聞を見れば一目瞭然だ> この他凄く印象に残っているのが「愛と混乱のレストラン」3巻の叶の言葉。 突然の父親の死に <本当にびっくりした。生きていくのは怖いことだと思ったよ。何が起きるかわからない> 叶部長ストーリー、来年出ないですかね~(笑)。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2010.12.27 10:17:38
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