運動会
運動会娘が骨を折った二日後が幼稚園の運動会だった。先生には見学だけしますと伝えたんだけど、駐車場に車を停めて戻ってきたら、なんといきなり怪我の身で徒競走に参加していた! 子供っすんごく自由だなぁ(((゜д゜;))) 娘は自分が運動会に出られない理由も忘れて、何故かみんなに交じって走っていた。1人だけ体育着じゃなくて白いワンピースで走ると云う不思議な光景だった。 ビリだった。当初は先生の粋な計らいで、「じゃあ行進だけでも参加しましょうね。」という事だったらしいのだが、始まったら、何故だか走っていたらしい…あはは(*u_u)。父兄の参加のコーナーがあって、僕は椅子取りゲームに参加した。僕は人前で何かをやるというのは苦手な方で、あんまり目立つのは恥ずかしいと思う方だ。娘が出て欲しいと云うので、横から飛び入りで参加した。娘がんばれない分、親ががんばろうというわけだ。椅子取りゲーム。いったい何年ぶりだろう。さて、音楽が鳴り、ゆったりと始まった。音楽が止まって、僕は一番近い場所の椅子に座った。「座りきった」と云う言葉はあまり使わないが、既にしっかり座っていたのだ。が、安堵も束の間、右横から誰かのお母さんが文字通り突っ込んで来た( ̄□ ̄;)!! 座ったらそれで勝ちだと思ってあたら、「ごめんなさい!」と云いながら全体重を任せて、おけつから突っ込んできたのだ!僕は一度座った椅子から激しく転がり落ちて、地面に背中を付けてひっくり返ったままの姿で不覚にも少し呆然としてしまった。僕を突き飛ばした誰かのお母さんはすみませんと云いながら笑っている。僕は怒りはなかった。ゲームだからだ。そして僕は一ラウンド目で負けた。…そこに「今ののは練習です。」と園長先生の声がマイクを通して響く。 それならと、僕は「ゲームだからと甘い気持ちでいたから吹っ飛ばされたんだ。真剣にやらなきゃ!!!」とつい今まで甘い意識を恥じて、ふんどしを締め直し競技に向かった。遊びでもゲームでも、競うものはやるからには勝たなくていけない。真剣にやらなければ、相手にも失礼にあたるし、ぼんやりしてあたら体を使うものは怪我だってする。始まった時は50人はいたであろう父兄の数も気がついたら、最後の一つの椅子を巡る僕と小学校高学年のお兄ちゃんと2人きりである。4ラウンド目くらいで左手の小指と薬指を突き指した。二人して突っ込んで来たのを阻止したからだ。そんな痛みをよそに最後の音楽が止まるとお兄ちゃんが猛然とスライディングの様に突っ込んで来た。先着されたと思った。やはり足のスピードでは叶わない。お兄ちゃんは勢い良すぎてやや行き過ぎた。僕はお兄ちゃんのスライディングで弾かれた椅子を冷静に手で手繰り寄せて座った。勝ったのだ! 優勝だ! ギャラリーや妻からは「大人気ない」とか「××××××」とか批判を受け、さらに準優勝のお兄ちゃんからまでも「手ぇ使うのオッケーすかぁ!?」と物言いがついたが、園長先生が優勝ですから…と反則じゃないのを認めてくれ、何よりも娘が優勝を喜んでくれたのでそれで良かった。怪我をして自由がきかない娘に、父親の必死な姿、「一生懸命に頑張る」という事を見せる事が出来て良かったと思う。勝負事は全てやるからには勝たないといけない。普段から手を抜いていると、大一番に力が出ないからだ。賞品は金色の紙に包まれたA3サイズの画用紙やノート、食品を入れるタッパなどがくるまれていた。三週間たった今も突き指したところが痛い(><;)。