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テーマ:癌(3547)
カテゴリ:大好き、ばっちゃん。
帰路、ふとした瞬間に何度も泣きそうになる。
まだまだ話したい事沢山あったのに、全然足りなかった。 あの日、徹夜で折り上げて完成した千羽… 糸を通すのにあんなに時間がかかるとは…。 糸を通しても、一つ一つ羽を重ねて組み合わさるように 通して行かなきゃいけない事や グラデーションにすることなんか考えたら、時間なんて全然足りなかった。 出る直前までつなぎ合わせ、間に合わないとわかったら 急いで色別に鶴を仕分けてビニールに詰め、紙袋に突っ込んで 飛行機の中で…と思ったのに乱気流に見舞われて 経験した事のない揺れ(TдT)怖かった 電車を乗継ぎ、雨の中タクシー移動。 到着した夜のホテルで、眠らずに延々と糸を通してた。 何日目の徹夜だろう、何度も寝そうになって、自分の指を針で突き刺してたorz 白い糸が、ところどころ自分の血で赤くなってたけど 変えてると間に合わないからそのまま通し続けた。 グラデーションにしてるのも間に合わなくなってきて 色合いが納得いかないものの、数えながら通して… 朝がきて、ホテルに迎えに来てくれた兄の車の中で、また通していた。 懐かしい、あたしのインプレッサ。 兄が大事に乗ってくれてて良かった…本当にありがとう。 家について、夜がきて、また通していた。 絶対絶対、ばっちゃんの退院には間に合わせたかった。 13日の朝、ばっちゃんの退院まであと数時間と言う時に、やっと完成して… そのまま倒れこむように眠って。 ばっちゃんを迎えに行く車に私も乗って、病院へ行った。 ばっちゃんは着替えて、ベッドの上で少し膝を抱えた感じで 小さく、そこにいた。 ばっちゃんがね、凄く小さくなってたん。 胸が凄く苦しかったん。 でも泣かずにそのまま、退院おめでとうねって 一緒に帰りました。 子姫に鶴を渡して、ばっちゃんに渡させました。 一緒に折ったんだよーって。 子姫は ~100羽くらい頑張ったかな。 ばっちゃんは千羽鶴見たことはなかったけど、話に聞くのはこれかいって あんた赤ちゃんもおるのにって喜んでくれた 「あんたがこうして折ってくれたけぇ こんなに早く退院ができたとよね、ありがとう」 って・・・ あたしは、言葉が、でなかった。 その退院が、どういうものか、兄やおとんから聞いてたから 胸になにかぶっ刺されたみたいに、ものすごく痛かった。 丸一日しかない時間 あたしはどれだけ、話せたんだろ。 「はよご飯食べなさい」ってチビを抱いててくれたばっちゃん。 「こんなにプリプリして、ようけ泣かんといい子やねぇ」って笑ったばっちゃん。 ばっちゃんはご飯数口しか食べてないのに、もう食べれないみたいで。 したかった話は沢山あったはずなのに 口をつくのは何気ない言葉で。 ばっちゃんのお腹 手術でチューブが通ったままで 長いチューブを丸めてテーピングで止めてあって。 見た瞬間泣きそうで、でも泣かなかった。 子姫の足位しかない細い脚 やせ過ぎてしわしわになっちゃったばっちゃん 白い顔色 月曜の朝、帰らなきゃいけない日 朝食のお粥は私が煮てみた ブロッコリーって癌に良かったはず… ほんの三口しか食べれないばっちゃん お腹はすくはずなのに… お肉とかは食べたい時は噛むだけ噛んで出すんだって。@消化できないから そんな、ほんの少ししか食べられないのに ばっちゃんが吐いた。 あたしは背中をさすって白湯を持ってくるしか出来なくて。 チョコレート色の沢山の、何か。 ばっちゃんは昨日病院で飲まされた栄養剤だっていうけど… 言うけど。 けど。 あたし、帰りたくなかったよばっちゃん。 ばっちゃん吐いたけど、いつもの事なのか何なのか おとんも騒ぐ事もなくて。 あたしどうしていいか解らなかった。 昔あたしが同じように吐いてた時 ばっちゃんに同じようなくらい心配掛けたんだよね ごめんね。 帰り際おとんと話してた ばっちゃん数口しか食べられないから 病院で頻繁に栄養とか入れてもらった方がいいのかなって聞いたけれど もう無理なんだって 「たぶん4月頃には…」とか、もう耳をふさぎたかった あたしの耳は、自分で塞がなくても その話、そこでシャットダウンしてた。 また会いに行くよ、その時はチビがばっちゃんって抱きつきに行くよって そうねぇ、たのしみねぇって 笑うばっちゃんと チューブその頃には取れてるといいねって言うと 死ぬまで取れないよきっと、取れる時には死んどるばいって言うばっちゃん あたしが固まったのを見て、「そうねぇ、取れるとよかねぇ」って言ったばっちゃん。 いろんな事がぐちゃぐちゃ頭の中にある。 遠いのが、辛い。 チビの羽子板祝いとか言いながら 沢山のお金を包んで私に渡そうとして いいって言ったけど「もっときない!」って。(持っておきなさい) 私に何ができるよ。 今一番、最善な事って何だろうよ。 考えても考えても辿りつけないまま 帰りの時間は迫って。 一度も泣かずに、ばっちゃんと過ごせたけれど 帰りの飛行機に乗ってからは、何度も何度もぎゅぅぅっと 涙が湧いてきて苦しくて泣いて。 一緒にいる時に泣いたりなんかしなくて良かった 踏ん張った、自分。 でも、もう無理だ。 戻った東京の街と、自分たちの家。 呆然としてる脳みそ。 朝が来ればよしおは仕事に行くし 子姫は学校に行く あたしには溜まった洗濯物や、散乱したものの掃除。 「普通の」日常。 なんだか、頭の中が整理つかないのです。 明日も、ばっちゃんに電話しよう。 もうすぐ来るばっちゃんの誕生日には 病院の先生がプリンが食べ物的にいいって言ってたから 美味しそうなプリン探して送ろう。 ひと口しか食べれないとしても ねぇ、もうあたしに出来る事なんか そんな事しか無いじゃんかよ。 春が過ぎても夏が過ぎても また会えるって、勝手に信じてたい。 ********************************** 本家サイト→【蒼月の雫】 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2008/01/15 02:34:37 AM
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