テーマ:正しい食育ってなに?(1640)
カテゴリ:種差別・動物解放について
子どもには初めから肉を食べさせないようにすればいいのですが、
すでに肉を食べ始めて、しかも肉が大好きになってしまっていたら、 やめさせるのは一筋縄ではいかないでしょう。 大人になってしまったらなおさらでしょうね? 私もそうでした。尿酸値が年々上がって行くにもかかわらず、 肉を断つことはできませんでした。発作が起こるまではね。 肉食が体にどんな悪影響があるか、を説いたところで、 本人が「そうだ!」と実感しないことにはあまり効果がありません。 では、別の観点から肉食について考えてみませんか? 『美味しんぼ』から話題をいただきます。 ジェフ青年はアメリカ人。日本で板前の修業をしています。 そのジェフが、捕鯨反対運動に加わっています。 京極:ほう、ジェフ君は捕鯨反対派なのですか? ジェフ:もちろんです。鯨を殺すなんて野蛮な行為です!! 鯨は、守らなければなりません。 京極:ふんふん・・・・。 ジェフ:鯨は、人間の次に頭の良い動物なんです。(中略) その鯨を殺すなんて、恥ずべきことです! どうして日本人は鯨を食べるんですか? ほかに牛だって豚だって、食べる物はたくさん あるじゃないですか! 第一、鯨なんか美味しくないですよ! あんな物無理して食べることはない!! この後一行は鯨料理を食べる。 といってもジェフには何の肉かは教えずに食べさせる。 ジェフ:でもこれはなんの刺身ですか? 山岡:ジェフも板前のはしくれだろう、自分で当ててみろよ。 ジェフ:ん?よおし! うはっ!これは旨いっ! ゆう子:肉の旨味と脂身の甘さが溶けあって、 コクがあるのに、後味がすっきりしてるわ! ジェフ:はて、これはなんなのか・・・・? こんな美味しい肉に出会ったのは初めてです。 しかし・・・・・、不思議な肉ですね。 獣肉なのか魚肉なのかはっきりしません。 鹿やトナカイの肉にはこんなに脂が入ってないし・・・。 次から次へと鯨肉を出されて食べているうちにジェフが気づく。 ジェフ:ま、まさか・・・!? 山岡:そう・・・、これは鯨だよ。(中略) ジェフ:山岡さんっ!ぼくは山岡さんを見損なったよっ! こんな汚いことをするなんてっ! 山岡:ジェフ、鯨を食べるのは初めてだったのかい? 食べたことがないのに、どうしてさっき 鯨は美味しくないなんて言ったの!? ジェフ:そ、それはっ・・・・。 山岡:ジェフの生まれ育ったアメリカの食文化の中に、 鯨が入っていないからだろう? 自分達の食文化に入っていない物に対して、 食べる以前から拒絶反応を示すのはよくあることだよ。 他国の食文化を、自分達の食文化と異なるからといって 野蛮と決めつけるのはそれこそ野蛮な行為なんじゃないか? ジェフ:ぐっ・・・。 この後京極が食文化についての蘊蓄を語る。 「鯨を食べるんも日本の文化の一つなんや」 「この刺身や百ひろやらを見とくんなはれ、鯨という物を とことん知り抜いて、どないしたら美味しく食べられるか 研究しつくしてある」 「鯨を食べる技術をここまで洗練させるのは、一朝一夕で できることやない。何百年も、いや千年以上かけて、 わしらの先祖が工夫を重ねてきたからなんや」 「あんたら西洋人は牛やら豚やら羊やらさまざまな肉を食べる。 調理法も見事やし、素晴らしい食文化を構築しとる。 それもやはり、西洋の長い歴史の中で洗練されてきた結果やろ」 さらに京極は続ける。 京極:一方我々日本人は、長い間牛や豚などの獣肉を 食べなかった・・・。 そやから昔の日本人は、西洋人が獣肉を食べるのを見て 野蛮やと言うた・・・。ジェフ君それをどう思いなはる? ジェフ:ははは・・・、そんなのこっけいですよ! 牛や豚を食べるから野蛮だなんて、昔の日本人が 牛や豚の旨さを知らなかっただけじゃないですか!? 京極:うん、その通りや。 ならどうして鯨を食べるのが野蛮なんや? 牛と鯨の差だけやないか! 牛も鯨も獣であることに違いはないと思うがな。 ジェフ:う・・・!それは・・・。それは・・・。 ぐうの音も出なくなったジェフ。 さてその晩は京都の京極邸に泊まる事になる一行。 翌朝には、なにやらジェフの喜ぶことが・・・!(つづく) 【出典】 美味しんぼ(13) ('88年2月1日発行)「第1話 激闘鯨合戦〈2〉」より お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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