テーマ:お勧めの本(7407)
カテゴリ:ご飯パワー
戦後の食糧難の時代には粉食奨励策は米の不足を補うために
必要でありました。パンは代用食として日本人の胃袋を満たしました。 その当時はまだ米が攻撃されるようなことはありませんでした。 ところが、米も産出できるようになり、食糧事情が回復してからも、 というか、回復してから米叩きが始まっていくのでありました。 それが昭和三十年代です。 以下のようなことが言われたそうです。 「米は塩を運ぶ車」 漬け物、味噌汁と、副食に塩を使っている物が多いということで、 高血圧の原因になる、として米の消費を抑える運動が持ち上がったのです。 「米は悪玉、麦は善玉」 などとも言われたそうです。 鈴木猛夫さんは書いています。 (財)日本学校給食会(文部省の外郭団体。パンと牛乳の完全給食を 地方に普及させるために種々の啓蒙活動を行った)は、 約5735万円の活動資金をアメリカから受け取り、 学校給食の地方への普及活動費に当てたが、その活動の中でこんな PR映画を作った。全日本パン共同組合連合会が後援して作った 『いたちっ子』という映画である。 あらすじは以下の通りです。 「ある田舎の町に二つの小学校がありました。山場の小学校では パン食が始まってなくて、ご飯ばかり食べていました。腹がいっぱいだから これはいたちのような身体つきをしていたんでいたちっ子と言われました。 町の子たちはもう学校給食でパンを食べていました。パン食だったから向上が 目覚しく非常に立派な身体になっていました。ある日、山場と町の子たちが マラソン大会でレースに並んだが、最初快調に走っていた山場の子は途中で 息切れして倒れちゃった。つまりコメを食べていた子は途中で倒れちゃった。 それに対してパン食の子は最後まで悠々と走り、勝ちました。それにご飯を 食べている人は結核で倒れちゃった。」 【出典】 最後に再び鈴木猛夫さんの言葉です。 パン食の有意さを強調するあまり米食非難をこのような形で訴えるのは いかがなものか。確かに日の丸弁当では栄養的に問題があるが、 それは米自体に問題があるのではなく梅干し一個というおかずの摂りかたに 問題があるのであって、それをもってパン食が優れているということには ならない。用意には受け入れがたい筋立てである。(中略) 日本学校給食会がアメリカ側から受けた資金の使途については 文部省は監督責任があるので、当然この映画制作に当たっては 事前に映画の内容を承知していたと思われる。 教育的配慮を欠いた映画といわざるをえない。 こうして日本人の米の消費量は毎年減っていき、 それは現在にまで至るのですね? 【出典】 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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