テーマ:闘病日記(4014)
カテゴリ:難病
松井進さんは20歳の時に筋ジストロフィー症の診断を受けました。
「顔面肩甲上腕型(がめんけんこうじょうわんがた)」というタイプです。 症状は、上腕筋の筋力が衰えてきて、手が肩より上に上がらなくなり、 さらに病気が進行していくと腕の障害だけでなく、身体のその他の 部位の筋力も衰えていくそうです。 医師からは、「この病気は基本的には治りません。栄養を十分摂って、 無理しないで、なるべく病状の進行を遅らせるようにしましょう」 と言われたそうです。 それから約40年後、61歳の時「日本綜合医学会」の講演会に行き、 甲田光雄医師の話に感銘を受けたのがきっかけで、 同医師の治療を受けることになりました。 「甲田先生は、治るとも治らないともおっしゃいませんでした。 とりあえず、先生から処方をいただき、家で食事療法を 始めることにしました。」 と松井さん。 しかし驚くべき事が起こったのです。 「この食事を始めて1週間か10日ほどたったころ、 身体の中のスイッチが切り替わったような感じがしました。 私が筋力を失い始めたのは20歳のころですが、 実に40年ぶりに昔の感覚を取り戻せたような感じがしたのです。 健常の人は手を動かそうと思ったらスッと動きますが、 筋ジストロフィー症になってからは、そういった感覚が 遠のいていました。しかし、食事を変えてたった1週間ちょっとで、 頭の司令と筋肉がつながるような、なつかしい感覚が ふと身体によみがえってきたのです。 (中略) そして、始めて1ヶ月たって再度甲田医院に行ったところ、 甲田先生から『よっしゃ! 治る!』とおっしゃっていただけたのです。 このときは喜びでいっぱいになり、声も出ませんでした。」 食事療法をきちんと守るのはつらいものがあったそうです。 パンが大好物の松井さん。誘惑に負けてパンを食べてしまうことが 何度かあったそうです。するとそのたびに身体の調子が 悪くなったのだそうです。 「パンを食べたときの一瞬の喜びと、その後の自己嫌悪の 感情を天秤にかけて、『やはり甲田式の食生活を守ろう』と、 自分を戒めながら、ここまでやって来ました。」 食事療法をスタートして5年経った時、松井さんは次のように述べています。 「何が一番変わったかといえば元気が体中にみなぎってきたことです。 (中略) また、上腕の脱力感がなくなり、身体を動かすのが辛くなくなりました。 疲労感や倦怠感はまったくありません。 今までは『筋肉と自分の闘い』をずっとしてきたような感じだった のですが、食事療法を始めてからは『体質改善』が体内で 行われているのがわかるようになりました。筋肉に対してだけでなく、 体全体に対して変化が起きているのがわかるのです。」 甲田光雄医師は次のようにコメントしています。 「松井進さんの病気もやはりやっかいな難病です。現代医学の 治療法ではもうお手上げで、誰一人として治るとは言ってくれません。」 一時期は甲田医院には100くらいの筋ジストロフィー症の患者さんが 来ていたそうです。そのきっかけになったのがトオル君でした。 「トオル君はデュシェンヌ型(最も頻度が高く、最も症状の 重いタイプで男子例が多い)の筋ジストロフィーです。 現代医学では治療はありません。そこで、難病を治すといわれている 生菜食をやってみたらどうかと考え、さっそくトオル君に指導してみました。 当時まだ5歳のトオル君ですから、生菜食の実行は少し かわいそうでしたが、思い切ってやってもらうことにしたのです。 そして2ヶ月後、再診のために甲田医院へやってきたのですが、 大変元気です。それよりも、お母さんがうれしそうに 『先生、この子が転ばなくなりました』といわれるではありませんか。 それまでは、よく転んで足の傷が絶えなかったのに、転ばずに 歩けるようになったというのです。」 これには甲田医師自身もびっくりしたそうです。 現在では松井さんを含めて約10名の筋ジストロフィー症の方が 生菜食を実行しているそうです。 【出典】 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[難病] カテゴリの最新記事
|
|