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食育に栄養学も食事バランスガイドもいらない

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2008年11月14日
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お弁当はおにぎり。塾長先生や塾の先生方が作りました。
そのお昼の時間に問題は起こりました。

みんなが美味しそうに食べているおにぎりを、
まことくんとちとせちゃん兄妹は中のウメボシを
取り出しています。
それを見た幡中塾長が・・・、

幡中:ウメボシはきらいか?

まこと:ううん好きだよ。

幡中:じゃ、どうして食べないの?

ちとせ:だってこのウメボシまずいんだもん。

まこと:変な味がして気持ち悪いんだよ。

幡中:そんなバカなっ・・・・・。
   みんなをごらん、ちゃんと食べてるじゃないか!
   わがまま言うと許さんぞ!

ちとせ:(泣き出す)お母さんのウメボシが食べたいよぉ!

場面は変わって幡中は山岡士郎と栗田ゆう子に相談する。

山岡:おにぎりに使ったのは、どんなウメボシですか?

幡中:どんなって・・・・・・、どこの店でも売っている
   ふつうのウメボシだよ。

山岡:まことくんのお母さんはウメボシを自分で
   漬けてたの?

まこと:うん。

山岡:よし、まだ残っているかもしれない。
   家まで取りに行こう。

その間ゆう子はウメボシをいろいろ購入してくる。

山岡:これは市販のもの。
   こっちのカメに入っているほうは、まことくんの
   おかあさんの漬けたもの。
   先生がお買いになったのは?

幡中:これだよ。

この二種類のウメボシを食べ比べる。

幡中:おや、これは・・・!
   同じウメボシなのにぜんぜん味が違う!

ゆう子:まことくんのお母さんの方は、ウメの香りも
    鮮烈だし、ウメの実自体の味も濃厚だわ。
    それにひきかえ、買ってきた方は
    香りも立たないし、味も貧弱。

幡中:どうしてこんなに味が違うんだ・・・。

山岡:それは、この買ってきた方は、
   本当のウメボシではないからです。
   正確に言うと、これはウメの酢漬けです。

幡中:ウメの酢漬け!?

山岡:ウメボシは本来、ウメを塩で漬けるだけです。
   そうすると、自然にウメ酢が一緒に出来てきます。
   ところが、それでは手間とヒマがかかる。
   それより、ウメを酢につけてしまった方が簡単だし、
   工場で大量に作るのに適している。
   しかし、それでは味も香りも貧しいものしか出来ない。
   それを補おうとして化学調味料を入れるから
   さらにひどいものになる。
   色も、赤紫蘇を使えば自然の良い色が出るのに、
   着色料で色をつけたりする。

幡中:なんてこった・・・・・

山岡:ウメボシを作るのは大変手間とヒマがかかるものなんですよ。
   真夏の暑い季節に土用干しをしなければならないしね。

まこと:僕のお母さん、ちゃんとウメボシ干してたよ。

幡中:私が悪かった・・・・・。私が本物のウメボシのあじを
   忘れていたんだ。まことくんとちとせちゃんが、
   こんなウメボシは食べたくないと言ったのも当然だ・・・。

ということで、子どものうちに正しい食べ物の味を
覚えさせてあげる、ということがどんなに大切か
ということがわかりますね。

この後、まこととちとせのお母さんが戻ってきます。
事情はここではお話しできません。
それに加えて、お母さんの・・・・・・・、
そうしてハッピーエンドとなるのであります。

『美味しんぼ』にはこのような人情話が
たくさんあります。ぜひ読んでみてくださいね?
ブックオフでしたら、105円で売っていたりしますから。

美味しんぼ(15)





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最終更新日  2008年11月14日 20時37分29秒
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