(財)全国食生活改善協会の活動【仕組まれた食の欧米化(9)】
連載がとぎれてしまってすみません。前回の記事は以下です。読んでいない方はこちらからどうぞ。なぜ日本人は米を食べなくなってしまったのか?【仕組まれた食の欧米化(1)】 http://plaza.rakuten.co.jp/shokuikublog/diary/200808020001/この、一回目からは頻繁にアップしていましたので、《次へ》をクリックすると8回目まで続けて読めますよ?さて、粉食奨励をするにはどんな方法がいいのでしょうか?それはなんといってもパン食なのですね?キッチンカーをで洋食を普及したのは厚生省の外郭団体である、「(財)日本食生活協会」でした。パン食普及のために活動したのは、農林省の外郭団体である、「(財)全国食生活改善協会」なのでした。なにやら似たような団体名ですね?では、全国食生活改善協会が行った活動とはどんなものだったのか?製パン技術の普及でした。要するにパン職人養成講座を開いたのです。初めは東京で行いました。全国からパン職人が数十名集まりました。アメリカ人パン職人による講習でかれらはアメリカ式製パン技術を学びました。それだけではありません。学んだ職人達は、自分の地方へ戻ってそこで、アメリカ式製パン講習会を開くことが義務づけられていたのです。初年度の1956(昭和31)年だけでもなんと全国200会場で、一万人のパン職人がアメリカ式の製パン技術を学んだということです。そうやって、アメリカ式製パン技術はアッというニッポンを席巻した、ということなんですね。しかも、これの活動資金として、3,882万円がアメリカ側から提供されていたのです。全国食生活改善協会は翌年1957年にもアメリカからの活動資金提供を受け(7,330万円)パン食普及を推し進めるのでした。パンの業界団体である、【全日本パン共同組合連合会(以下「全パン連」・昭和31年設立)】はこの資金の一部を活用して、「全国パン祭りキャンペーン」を企画し、新聞、ラジオ、テレビはもとより、宣伝カー、宣伝セスナ機までをも使って、全国的にパン食普及の大宣伝を行うのでありました。(財)全国食生活改善協会によるこれら一連の活動によって、めでたくも(?)日本には完全にパン食が定着していくこととなりました。現在の日本の状況を見たらそれは明かですね?米の消費量は減り続けてきました。しかしながら、全国食生活改善協会だけではなかったのです。パン食を奨励したのは。その話はまたあとで。【参考文献】「アメリカ小麦戦略」と日本人の食生活