（ほぼ習慣）企業人コーチ・湘南太郎。の　　　「心に灯がともるＢｌｏｇ」

近頃、「魅せる技術」がキモらしい。
ビジネスの世界でも注目されつつある。
同名の書籍も発売され売れているようだ。
コーチング関連でも「見た目」を重視した書籍が出版されているくらいだ。

「魅せる技術」とは何なのか？
それを見事なまでにビジネスモデルに昇華させたケースを、先日の大阪出張で発見した。
そう、「ＡＢＣクッキングスタジオ」である。

私が今回大阪で視察した商業施設は３つで、全て最新の施設だったのだが、なんと！驚くこと無かれ、その全てに「ＡＢＣ」はテナントとして入居しているのだ。
しかも、関東でよくあるように、施設の上の方の、病院やカルチャーセンターといった用事がある人だけのための施設が入居したフロアにあるのではない。
普通に洋服や雑貨、人気の飲食店が軒を連ねるフロアに、突如として「バーン」と「スタジオ」を構えているのである。

まさに「スタジオ」である。
どの店舗も、ほとんど全て、表に対してガラス張りなのである。
買物を楽しんでいる共用通路を往来する人々からすると、突然、目の前にテレビ局の「撮影スタジオ」が現れたかのような錯覚に陥る。
それも、「チューボーですよっ！」のようなオシャレな料理番組の、である。

ＨＰで調べてみると、全国の教室のほとんどが、オシャレな街の、いわゆる「雑居ビル」などではなく、街の中心にある最先端なイマドキのショッピングセンター等にあることが分かる。
そう、まさに、「生徒さんの利便性」というより「魅せる」ことを意識しているのである。

ガラス張りの「スタジオ」の中では、昼間っから（おそらく夜までも）、若くて可愛らしく自分を演出（ショーアップ）した素人の年頃のたくさんの女性が、さりげなく「魅せる」ことを意識して、茶目っ気たっぷりに笑顔を振りまきながら、慣れぬ料理に取り組んでいる。
その光景は、通り掛かった全ての人の目を奪う。
同年代の女性に、「自分も楽しく料理を身につけたい（ついでに観られたい？）」と思わせるのはもちろんのこと、
大人の男性に対しては、「料理好きの女性ってステキだなぁ」と取り返しのつかない（？）幸せな（能天気な）幻想を抱かせるのである。

そう、その「スタジオ」の中で繰り広げられている光景を目にする全ての人に、見事なまでに「ささやかな夢」を抱かせるのである。

彼女達は、明らかに「観られている」ことを意識しており、料理とともに、いや、もしかしたらそれ以上に、そのことを楽しんでいる。
そして、「スタジオ」にとっては、彼女達は自ら「販促費」を持ち寄って最高の販促活動を繰り広げてくれる極めてリーズナブルな「体験モデル」なのである。

今だかつて、これほどまでに、「魅せる技術」を余すところ無くフル活用したビジネスモデルが他にあっただろうか？
「魅せる」ことにしただけで、販促費を無くし、最高品質の「モデル」にして「顧客」を大量に吸い寄せ、目にする全ての人々にささやかな「幸福感」を与える・・・・
う～ん、完璧だっ！！


「ＡＢＣ」に倣って、「魅せる技術」により、ビジネスを飛躍的に拡大発展させることの出来るケースは他にもたくさんあるのではないだろうか？

私も、早速「魅せるコーチング」として、「湘南コーチングスタジオ」をビジネスモデル特許として出願した（してないって！）。
それは冗談としても、コーチングにおいてはコーチ・クライアントとも、原則、神経をクライアントの内面に集中させる必要があるのでこれは難しそうだ。

しかし、「個人のあり方（ｂｅ）、生き方（ｄｏ）」において、自分の持っているもの（ｈａｖｅ）をいかに周囲に「魅せていくか」というテーマは、コーチングにおいても重要な切り口の一つであろう。


このように、他のビジネスの成功のノウハウやエッセンスを、自分が携わるビジネスやプロジェクトに上手く応用させていきたいものである。
まずは「魅せる技術」あたりからどうだろうか？