絶望的な金額 2
前回の日記で一世帯当たりの貯蓄高を挙げたが、一世帯当たりの負債高も524万円(負債高の約9割は住宅・土地によるもの)ある。 ということは、国の借金を国民の貯蓄で相殺するには、1000万円以上足りないということになる。 しかし、総務省が5年ごとに実施している調査によると、99年11月末時点の一世帯当たりの資産総額は4387万円。これは、不動産などの資産も全て含めた金額ということかな。 結構あるものだ。 国民自体は割りと余裕があるのに、国の財政は最悪。「国」に対する意識の低さが具現化したということか。 戦後、日本では愛国心などという言葉を使うと軍国主義者扱いされかねない風潮があったことは否めないと思う。 国民あっての国であると同時に、国あっての国民ということも言えるわけで、そのあたりのバランスを今まで欠いていたのかな。 最近マスコミで取り上げる国の借金に関する数字は、一人当たり○○○万円というものばかりで、歳入総額に対する借金の割合はどうなっているのだ?という具体的な疑問が常々あった。 おもしろいデータをみつけたので、取り上げよう。国の歳入と歳出北海道総務部税務課ホームページ◆国の歳入予算(平成16年度の一般会計当初予算) 総額:82兆1,109億円(100.0%)・公債金収入(要するに借金) 36兆5,900億円(44.6%) なんと、収入の半分近くは借金!!! 普通に考えてこのやり繰りはおかしい。 まぁ、収入の半分を住宅ローンに当てているという方はいるかもしれない。 その場合、住宅が資産になるからいいが、国の歳出は、国の資産になるという保障はない。現実には資産価値どころか、借金をして無駄使いという状況。 「サラ金で借りてパチンコをする」とまではいわないが、「ローンを組んでまで毎晩フルコースのディナーを楽しむ」みたいなものではないか。 というわけで、どういう使われ方をしているか、チェックしてみよう。◆国の歳出予算(平成16年度の一般会計当初予算)総額:82兆1,109億円(100.0%)・防衛関係費4兆9,030億円(6.0%) この防衛関係費だけど、一時期1%枠とか言ってなかったっけ?あれは国民総生産の1%だっけ? 自分はてっきり、歳入総額の1%以内にするということだと思っていた。 だから、意外に多いので驚いた。 これ、5%くらいに削れるんじゃないの?・その他7兆824億円(8.6%) その他が8.6%というのは、多い感じがする。 何だかはっきりしない支出が1割近いというのは、無駄遣いの象徴ではないか。 こういうのは限りなくゼロにしないと。・国債費(国債・利子などの支払い)17兆5,686億円(21,4%) 利子の支払いで2割以上費やされるなんてバカげている。 カードによる借金地獄に陥った人は、一つのカードの決済を他のカードでして、そのカードの決済をまた別の新たなカードでするということを延々と繰り返し破産するというが、収入の半分が借金でその半分をそっくり利子の返済にまわすという状況は、まさしくそれ。 ここまで行き詰ったら、改革なんていう生易しい言葉では弱すぎる。 更生とか、そういう世界の話。 ちなみに国債を持っている民間銀行(全体の1/4)と郵便局(全体の1/4)を合わせると全体の半分を占めるらしい。日銀も1/4くらいだったかな。 割合からすると個人への割り当てはごく一部。 ・地方交付税交付金等(地方公共団体の財政調整)16兆4,935億円(20,1%) これも2割というのは大きい。 収入の半分近くが借金だというのに、他人の経済的な面倒を見ている場合ではない。普通に考えるとそうでしょ。 小泉首相が三位一体改革と称して地方交付金をカットしようとする意味が垣間見える。 地方公共団体における歳入総額の内、地方交付金の割合もやはり2割。 地方公共団体に対する財政資金の流れについて会計監査院 HomePege ・社会保障関係費(健康や生活を守る)19兆7,970億円(24,1%) これ、国民が一番関心のある年金とは別だよね。 それが歳出全体の1/4を占める。 これも「その他」と似たようなところがあって、結構不透明。 比較的にどうでもいいようなことで使うなら、いっそのこと年金の財源にまわしてしまった方が国民も納得するのではないか。・公共事業関係費(道路や住宅の整備)7兆8,159億円(9.5%) よく無駄な支出の矢面に立たされ勝ちな分野だが、数字だけを見ると意外にあまり気にならない。 自分の場合、税金が何に使われるかということを考えたときに、真っ先に思い浮かぶのが道路なのだが、それが全体の1割以下ということなら歳出額全体を圧迫しているとは思えないのである。しかも、これ住宅整備関係の支出も入っているわけだし。 人によってその感覚は違うと思うが。 以上のこういったデータ、家計を預かる主婦の方なんかはどう思うのだろう。 いってみればやり繰りのプロだから、そういった人達の感覚の方が案外、国の財政を立て直す原動力になるような気がする。人気blogランキングへ 101-150位