『時計じかけのオレンジ』
キューブリックの作品は難解で個人的に良いイメージが無いのですが、この作品に関しては再び観たい衝動に駆られました。見終わって…………アレっ!何だろう…このスッキリ感……カタル( ̄∀ ̄)シス潜在意識レベルで起きている抑圧からの解放かもしれません。冒頭の暴力シーン不快なのは、主人公に感情移入しようとすると倫理的な罪悪感が邪魔をして葛藤するためだと思います。ところが「矯正治療」を受けるアレックスを観て、今度は倫理的に「これで良い」という気持ちと心情的に「共感する」という気持ちになります。今まで自分を縛っていた倫理観や既成概念が崩壊してニュートラルな気持ちになります。そこでもう一度自由奔放なアレックス(ラストシーン)を観た時は当初の葛藤から解放されているのでスッキリするという仕掛けなのでしょうね。一種のショック療法みたいなもので、健康な人が観たら面白くないんじゃないかと思います。この「観客の治療」はキューブリックが狙ってやった事ではなく偶然の産物だと思います。せっかちな農民が茹で上がりを待ちきれず食べていたパスタをある時王様が食べて「これは美味しい!」となりアルデンテが普及したみたいな…