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カテゴリ:書籍
アントキノイノチ 「精霊流し」以降、小説家としても評価を受けているさだまさし。 近年の彼の小説は全く読んでいなかったのだがそれよりずっと前、 僕が中学生のころに彼の小説をいくつか読んだことがある。 最も古かったのは当時のクラスメイトに借りた 「本」という人を食ったタイトルの本、 そこに収録された三億円事件を題材にしたタイムトリップもの、 あれが公に発表された「初の」小説ではないだろうか。 他にも文庫本で短篇集などを読んだこともあり 笑ったり感動したりしたのだが、 当時の作品はあくまで「歌手の余興」でしかなかったと思う。 中学・高校のころは「さだ一色」だったけれど 社会人になったころから彼の音楽からもしばらく遠ざかっていた。 それが紅白歌合戦で「遥かなるクリスマス」を聴いたあたりから またポツポツと彼のアルバムを聴くようになってきていた。 そんな折に出会った「アントキノイノチ」 さだまさしの作品であるということはすっかり頭から抜け、 引き込まれるように一気に読んで、三回泣いた。 多くの人に読んでもらえればいいな。 過去の傷をどこかで引きずっている人に。 人との関係に苦しんでいる人に。 命の来し方行く末に思いを馳せる人に。 いろんな葛藤を抱えながら日々を営んでいる、多分、普通の人に。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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