相談業務とは…(Iくんのその後)
Iくんがどうしたか、皆さんが心配していると思うので、守秘義務に触れない程度に報告しますね。 前に別の問題が起きた時に教育委員会に相談しても「順番が違う。先に校長に。」と言われ、校長先生に訴えても何もしてくれなかったので、お母さんは今回はダメ元で教頭先生と学習支援の先生に訴えました。担任も加えての話し合いになり、担任は「自分は悪くない。」と自己弁護ばかりしていたのですが、後のお2人が「Iくんは見守りが必要。」と分かってくれて、休み時間も交替で見守り、学習支援の先生が不在の時間は教頭先生がクラスに様子を見にきてくれると約束してくれたそうです。その後、まだ学校へは行けてないのですが、とにかく分かってくれる先生がいて良かったです 私がびっくりしたのは、Iくん母のナイス行動力&判断力学校に呼び出された時、私の職場に「どうしたらよいでしょう。」と電話してきたのですが、「一人で行かないで協力者を連れていくこと。」とか「話し合いを記録してくること。」くらいしかアドバイスできず......クラスの他の母親は誰も協力してくれなかったので、口のたつIくんの祖母を連れて行き、ボイスレコーダーを持っていって「録音していいですか。」と聴いて、自分の思いは全部書き出して行き冷静に話したそうです。相談業務の一番大事な役割は、"問題解決してあげること"ではなく、"クライエントが自分で解決できるように支援すること"だと思うのですが、Iくん母がこんなにも果敢に問題解決したのに驚いたんです保育園の頃はオロオロして泣いてしまい、結局私が一緒に保育園に話に行くということが多かったのですが...度重なる試練のたびに、情報提供し選択肢を増やし、優先順位のつけ方を一緒に考えてきました。今では、私より上手に問題解決できるんじゃないかしら...Iくんのお母さんは、真面目だけど子供の気持ちになれる人。初めて会った時に、我が家の子供達もすぐになついて一緒に遊んだのです。私より子供の相手が上手かも~と思い、「子育て上手だね。」と褒めると、「そんなこと初めて言われました。今まで子育てを批判されてばっかり...」とポロポロ涙をこぼしました多動なIくんを見た保健師さんや保育士さんから、「母親の関わりがいけないのではないか」とか「父親が育児に参加していないのではないか」とさんざん言われていたのでした。児童福祉の相談員をやっていた時も感じていたのですが、子供に問題行動がある時、専門家はまず親の育児のせいにしやすいなあ、と。たぶん、保育や指導がうまくいかないのを自分のせいにするより、家庭のせいにする方が楽だから...だから、真面目なお母さんほど自分を責めてしまうのです。Iくんのお母さんも胃潰瘍を繰り返していました。私は、Iくん&お母さんの持っていた力を認めて引き出してあげただけです。この親子に沢山学ばせていただきました。Iくんが再び学校で居場所をみつけられますように