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夜中にたまたまテレビをつけたら、「宇宙で一番逢いたい人」というような企画をやっていた。 幻冬舎社長の見城さんが、その「宇宙で一番逢いたい人」に、『奇跡のリンゴ』の主人公である木村秋則さんを選んでいた。 そういえば、「プロフェッショナル 仕事の流儀」で木村さんを取材した回の放送を観た憶えがある。 見城さんは、それこそ迷わず木村さんを選んだような雰囲気だ。 確かにあの回の放送は感動して観たのだが、何で見城さんの「宇宙で一番」なのかはあまりピンと来なかったので、早速書店に走った。 やはり、1時間弱のテレビ放送よりも、本の方が遙かに内容が濃い。短いことばでは説明が難しいが、血反吐を吐くような苦しみを経て、既存の常識を覆し、とてつもないことをやってのけた人間の壮絶なドラマだ。 見城さんも、番組内で「ライト兄弟」などと比較して絶賛していたが、本を読んで初めてその意味がわかった気がする。 世の中には、その時代ごとに何かの使命を担っているメッセンジャーのような人種がいる。例えばライト兄弟は「飛行機を発明する」という使命をもって現れ、「人間も空を飛ぶことができる」というメッセージを残している。 エジソンやジェンナーなど数多くの偉大なメッセンジャー達が要所要所で登場し、それ以降の営みに必要不可欠なメッセージを残す、という繰り返しが人類の歴史なのだと思う。 そしてそれらのメッセージは、ほぼ例外なく、苦難の果てに生まれている。 著者の石川さんは、木村さんの畑を旧約聖書の「ノアの箱舟」にたとえている。 近い将来、農業はターニングポイントを迎え、その後、木村さんの名前が「近代農業の救世主」として歴史に刻まれるかもしれない...正月早々、そんなことを空想して愉快な気持ちにさせられた一冊だった。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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