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こうこの手紙

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2024年08月07日
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「とうちゃん、靖国からお誘いの封書がきているよ」

「ふむ。みたままつりだね。今年は休職中だし出かけてみようかね」



「とうちゃん。お酒を買っていこうよ」

「そうだね、手ぶらでは悪いね」

球磨之介とに祥之介は九段にやってくるのでした。



いつもと違って靖国も心なしか華やいでいました。



「提灯がいっぱいだね」

「ふむ。陽登がもう少し大きくなったら家でも提灯をお願いしようかね」

「まだ戦争の話はわからないよな」

「戦争の話は拙者にもわからないよ。

けれど肉親を失う気持ちはわかると思うのである」

「そうだな。俺たちは戦地に行ったこともなければ、

内地で空襲にあったこともないもんな」



「提灯がずーっと続いているね」

「一人でいくつもお願いしている人が多いよ」



海外の人も多いのでした。



「夜来たら綺麗だろうね」

「ふむ。来年は孫と一緒に夜きてみようかね」

「戦争のことはわからなくても、将来靖国に行った思い出は残るよ。

そのとききっと戦争について考えてくれるさ」

「ふむ。こういう歴史があったということを知って

自分で何かを感じてほしいのである」



「とうちゃん。やっと拝殿が見えてきたよ」

「ふむ。人も普段とは違う人が多いね」



「なんだか靖国が華やかだな」

「本来は暗いところではないと思うぞ」

「今だって暗くはないだろ」

「ふむ。しかしここに祀られている方々や、

当時の人たちのことを考えたら、朗らかにはなれないであろう」



「とうちゃん、九段の母でも唄いながらいこう」

♪ 上野駅から九段まで 勝手しらないじれったさ

杖を頼りに一日がかり せがれきたぞや 会いにきた ♪



「海ゆかばも唄おう」

♪ 海ゆかば 水漬くかばね

山ゆかば 草むすかばね

大君の辺にこそしなめ

かえりみはせじ ♪



拝殿にみんなとお参りをするのでした。

とても熱心にお参りをしている人が多く

祥之介もいつもより心をこめてお参りをするのでした。



軍用犬にもお礼をいうのでした。



お馬さんたちにもお礼を云うのでした。



インドのパール判事さんです。



こちらは海防艦の碑です。



これは後期型の零戦五十二型(四十二型)ですが、

これに乗って護衛に出て敵戦闘機と交戦して、

洋上の木の葉みたいな母艦に戻ってきて着艦するって

どうやったらできるのか不思議なのでした。



球磨之介と祥之介は二階にあがるのですが、

ほとんど撮影禁止なので一番見てほしいものが撮影できないのでした。

「彗星である。艦爆である」

「とうちゃん、固定脚の九十九式艦爆とはえらい違いだな」



これは哀しい「桜花」なのでした。

藤井中尉とご家族 是非クリックしてください

「とうちゃん。戦死した人たちの遺書や手紙がいっぱいだ」

「遊就館の二階にくると胸が詰まってしまうね」

「とうちゃん、これ……」

「これは藤井中尉の手紙とご家族の写真ではないか」

「ものすごくきれいに保存してあるんだね」

「もしかしたら知覧に本物があってこちらはコピーかもしれないね」

「写真を見るのが辛いな」

「何にも云えなくなってしまうな」

「今の人たちはいろいろいうだろうな」

「当時の人たちだっていろいろ云っただろう」

「特に特攻で死んだ人は軍神だったのに

敗戦と同時に『戦犯・国賊』だものね」


祥之介は思うのでした。

孫たちに

大石伍長と静ちゃん クリックしてください

「昔こういう戦争という時代があって

こういうことがあったんだよ」と。

何も云わず考えるのではなく

こういう人たちに思いをはせてほしいと思うのでした。

いいとかわるいとかではなく

こういうことがたくさんあったと。

そしてわからなくてもいいし

なにをおもってもいいけれど

こういうことがあったんだということを

ずーっと伝えてほしいとおもうのでした。






「これでどうやって米軍の戦車と戦うんだ?」

「ふむ。近寄れもしないのである」



境内には著名人の作品が並んでいるのでした。

子供の頃より慣れ親しんだちばてつやさんの絵を撮ってみるのでした。

「とうちゃん、ちばさんだって満州の引揚者だったよな」

「赤塚さんや釣りバカ日誌の人もそうだったと思うのである」

「とうちゃん、当時は生きているだけですごいことだったんだな」


平和な日本をありがとうございます






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最終更新日  2024年09月01日 05時58分11秒
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