カテゴリ:カテゴリ未分類
過日、道場の忘年会が開かれた。
場所はJRや私鉄の総合駅から徒歩1分の好立地。 街中に出るのは久しぶりなので、チェスターコートにストールを首に巻いて勇んで出かけた。 訊いていた雑居ビルはすぐに見つかったが、近づくにつれて入り口に派手なネオン装飾の立て看板が目について、そこには下着姿の女性たちが色んなサービスをするというコースが写真と共に表示してあるのだった。 よりによって、アカラサマな風俗店が入っているビルとは・・・。 一瞬、行き過ぎようかと思ったが、いや、このビルに入らねばならない、と観念した。 できるなら、行き交う人々に弁明したいくらいだったが、とりあえずエレベーター前に。 そこには男性3人組が立っており、エレベーターが降りてくるのを待っているところであった。 まさかこの人たちは仕事帰りにスッキリしにきたわけではあるまい、などと思ううち、自分は彼らにどう見られているのか気になりだした。 (いや、ちがいますから!) と胸の内で弁明したところで意味はない。 エレベーターの到着がやけに遅く感じられ、ええぃ!と階段で5階まで駆け上がる勇断をした。 店に入ると、すでに大方のメンバーが集まっており、つい今しがたの我が身の葛藤など嘘のようにみな落ち着き払って和気あいあいとしているのだった。 乾杯から二時間、普段道場では話さないようなプライベートな話題も楽しく、三列の座卓を移動しつつ、先生や先輩方と親交を深めた。 下戸な自分はコップのビールを飲んだり飲まなかったりしつつ、酔っているようなそうでもないような曖昧な気分でふわりと過ごした。 やがてお開きになると、ぞろぞろと皆で外へ出てくるが、あれほど怯んだ立て看板の前でも衆を頼むような格好で平気なのだった。 二次会があるのかと流れに身を任せるつもりでいたが、遠くから来てる人もおり、終電のこともあってかそのまま自然解散となった。 とはいえ、駅前はまだまだ人の流れが途切れない時間だ。 みなと別れて、クリスマスの電飾などでキラキラ輝いている街を、ほんの少し頬を冷やすつもりで歩いた。 カップルが寄り添う姿を見ても、クリスマスのイルミネーションを見ても、寂しいと思うどころか、ちょっと華やいだ気分になれる歳になったかと自分自身の移り変わりを感じた。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
|