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2007年06月22日
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カテゴリ:カテゴリ未分類
街に奇妙な噂が広まった。

それは、街角に突如として現れる地蔵の噂である。

「突如街角に現れる地蔵だって?そりゃあ、いわゆる都市伝説と

いうやつだな」

私がそういうと、

「私も最初はそう思ったのですけど・・・」

庶務課のももこの話はこうだった。

-------------

ある日の夕方、ももこは買物の帰り道人気のない道をアパートに

向かってとぼとぼ歩いていた。

ももこはその日沈んだ気分だった。

友人と、ほんの些細なことで仲たがいをしてしまったのだ。

そして、あろうことか友人は別れしな、ももこが一番言われたく

ない言葉を投げつけて去っていった。もっともそれがどんなことか

まで、彼女は言わなかったが。

いずれにせよ、そんな、心にとげがささったような気分で歩いて

いたのだ。

家に向かう最後の角を曲がろうとしたときだった。

突然何かがぶつかってきた。そしてそれはももこの胸にしがみ

ついてきたのだった。

一瞬何が起きたかわからなかったが、それが何やら赤ん坊のような

大きさであると気づいたとき、ももこは

「きゃ~」

あらん限りの声で、悲鳴を上げた。

そのとき、ももこの脳裏には

(子泣き爺)

という言葉が浮かんだ。そして猛烈な恐怖に襲われた。

「よ、妖怪っつ」

というや、ももこは気を失ってしまった。

そこから先のことはほとんど覚えていない。気づいたときは、救急

車で病院に運ばれていた。

気を失う前に最後に見たのは、それが子泣き爺というよりは地蔵に

似ていたことだ。そしてそれは手を伸ばし、ももこの胸に突っ込ん

できたのだ。

記憶があるのはそこまでだ。

正気に戻るとどこも悪いところがないということでももこは家に

帰された。

その帰り道、ももこは恐怖というよりは、何か奇妙な感覚に包まれ

ていた。

(続く)







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最終更新日  2007年06月23日 00時34分31秒
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