カテゴリ:過払請求
ある人から、(仮にAさんとする)次のような相談があった。 「ある金融会社と不動産担保取引をしています。まだ*百万円借金が残っています。 実は、別口で完済した取引もあり、過払い金が発生しているようですが、今年の 6月に時効になってしまいます。 「過払い金だけ請求できるでしょか?」 「そうした場合、不動産は取られてしまうでしょうか?」
不動産担保ローンと聞けば、我々も身構えてしまう。 危険な匂いがすると感じてしまうからだろう。 しかし、恐れることはない。過払い請求は債務整理ではない、当然の権利なのだ。 この場合、過払い金だけ請求して、不動産担保ローンは今までどおり払っていくことも、 不動産担保ローンの分割払いの権利(期限の利益)を放棄して、 過払い金対等額で相殺することもできる。 しかし、相殺する場合は、最初約定した利息を払わなくてはならなくなる場合もあるだ ろう。 民法は「期限は、債務者の利益のために定めたものと推定する(民法第136条1項) 期限の利益は放棄することができる。ただし、これによって相手方の利益を害すること はできない(同136条2項)」と規定している。
あくまで、相殺できるのは不動産担保ローン債務者であるAさんである。 ようするに、Aさんは不動産担保ローンを遅延なく約定どおり払っていれば、 たとへ、別取引の過払い請求をしても、金融業者から相殺されて、一括請求をされたり、 不動産の担保を実行されたりはしないということだ。
ところで、Aさんの過払い請求権が時効にかかってしまった場合はどうだろう。 民法508条は「時効によって消滅した債権がその消滅以前に相殺に適するように なっていた場合はその債権者は、相殺をすることができると規定している。」
一見、時効消滅以前に遡って、相殺できそうだが、 最高裁は「既に弁済期にある自動債権(今回の場合は過払請求権)と 弁済期の定めのある受働債権(今回の場合は不動産担保ローン債権) とが相殺適状にあるというためには、受働債権につき、 期限の利益を放棄することができるというだけでなく、 期限の放棄又は喪失等により、その弁済期が現実に到来していることを 要するというべきである」と相殺を否定した。
つまり、時効消滅以前に遡っては期限の利益を放棄することはできない ということである。この辺の解釈を間違えると大変なことになる。
Aさんは早急に過払い請求をする必要がある。 勿論、受任させて頂いたが、相手は訳のわからないことを主張してくる業者、 気を引き締めてかからなければならない。
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Last updated
2014.05.01 10:42:58
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