当事務所の一日の始まり
当事務所は午前9時から始業である。 毎朝、朝礼、ミーティングをおこなっている。いつものように、新規来所者の担当者振分、 各人の仕事の指示をした後, 私 「今日の新規は、横浜、群馬、それに長野からです」 「遠方からきていただくのは、とても有難いことです」 皆 うなずく 私 「それに答えてあげられるよう、頑張りましょう」 「長野から来るSさん夫婦は小さい子供も一緒とのことです」 「何かあったら、A子さん、お願いしますよ」 事務員A子さん、当然のように返事とともにうなずく。 私 「いいですか、いつも言っているように、お客様はやっとの思いで電話を掛け、 そして来所されるんですよ」 「そういう気持ちを良く考えてあげてください」 横浜のK子さん、群馬のTさんに続いて、長野のSご夫婦来所 小さいお子様は、A子さん、他の事務員が、お菓子を差し上げたり して相手をする。 私 「遠いところから、わざわざ、ありがとうございます」 「どの位かかりました?」 Sさん 「4時間位です」 私 「4時間ですか!!それは、どうも、どうも」 「ところで、うちの事務所はどこで(知ったんですか)? Sさん 「東京に友人がいるもんで、相談したら、ここが良いと・・」 私 「そうですか、ありがとうございます」 「その友人も、うちで、(債務整理を)されたんですかね?」 Sさん 「そうかも知れません」 私 笑いながら 「守秘義務がありますから、これ以上聞くのはやめましょう」 そして債務の内容をお聞ききして、本題に入る。 幸い、取引期間も長く、過払い金も期待でき、債務もほとんど残らなと判断。 全ての費用は過払い金からの清算することで受任させていただいた。 Sさんご夫婦、安心されたのか、来たときとは違い笑顔で帰っていかれた。 「バイ、バイ・・」と手を振る無邪気な子供の笑顔がいつまでも心に残った。