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カテゴリ:感動!
蟻の兵隊。
おすすめの映画です。 是非時間があったら見てください。 渋谷のイメージフォーラムで8月18日まで。 日本が敗戦したにも関わらず、中国で4年も逗留し戦い続けた 奥村和一さんが、いまだに彼等は自分の意思で残ったと主張し 続ける日本との裁判を通じて、自らに「戦争とは何か」と問い 続けるドキュメンタリーです。 私は戦争や社会問題についてここ数年関心を向けてこなかったんだ。 なぜなら、歴史・政治・心理・文化的問題が幾重にも絡まっていて、 とても解決が見えると思えなかったし、例え「中国に無理矢理残さ れた」ということが史実という立場を勝ち取ったとしても、戦争が なくなりっこないと思ったから。 出口の見えない暗闇に飛込むより、光を増やす方が賢いと思ったから。 だけど、コーチングを通じて、自分の闇にただ「そこにいるんだね」と 言うことの意味を知ったから。もっと広い自分=社会の闇にもそうして あげたくなったんだ。 さて、この映画の素晴らしいところは、戦争の持つ被害面、加害面、 優しさと悲しさ、美しさと怒りという様々な面を、奥村さんという 1人の人間の中にあるそれと重ねながら描いているところ。 印象的なシーンは、奥村さんがはじめて人を殺した現場に出向き、 そこで被害者の家族と話をするシーン。おそらく何か謝ったり、 彼等の痛みを分かち合いたかったはずなのに、知らず知らずにその 中国人が殺されたのは、罰として当然だったとつめよってしまって いる。 なんともいたたましい。 この映画の監督はえらいと思う。 この時にきちんと奥村さんに「相手を攻めることで自分の罪を軽く しようとしませんでしたか?」と、まっすぐに聞いた。 このセリフに、私がどきっとした。 よっぽどの信頼関係を作り上げ、スタッフもともに戦っているだ… そう思った。 最初はそれを否定した奥村さんだが、 少しして悲しみを目に写しながら答えた。 「私の中にまだ日本兵である私が生きておるんですね‥。」 戦争が終って61年。 もうそれは過去のこととされつつある。だけど、その時の深い傷は、 その時代の人たちにしっかりと刻まれており、傷のパターンが確実に 次の世代に引き継がれている。 私の中に韓国人・中国人を差別する心がある。 美しく散る特攻隊を賛美する気持は少ないけど、 もしあの時代に生きていたら、きっと戦いにで ない人を許せなかっただろう。 「戦争はいやだ」 こんなシンプルなことを、シンプルに言えるように、 社会の底に流れている闇を、亡くなった方達の思いを、 ただ「そうなんだね」と見届けたい。 それが祈るということなのかもしれない。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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