「虎狼は空に」津本陽
副題に”小説新選組”と有ります。近藤達と芹沢派4名が京都残留を決め 会津藩お預かりとなり。しかし、芹沢鴨の乱暴狼藉な振る舞いが問題になってきて隊内粛正。近藤局長 土方副長による隊組織の整備確立から池田屋までが上巻です。映画「壬生義士伝」の佐藤浩市=斉藤風に言うと「新選組が良かったのはここいら辺まで」…と言うことになりますね。下巻はそこから鳥羽・伏見での幕軍敗戦の所まで。伏見で近代兵器にとことん負け、淀千両でさらに追撃を受け総崩れとなった幕軍。津本新選組小説では 最後に永倉新八と斉藤一の会話でしめくくっているのが何とも嬉しく明るい気持ちにさせてくれる気の利いたラストシーンです。小説家は、残された文献を丹念に読み解きながら 数少ない資料の中で自分ならではの味付け 肉付けをして文章をまとめて行くのだなぁ…と今更ながら感心してます。新選組の小説 いろいろな作家の物を読んでいるとそれぞれの作家独自の解釈や書き方があって面白いです。津本陽氏の文章は、剣による接近戦の迫力があって時々読むのが苦しくなる所も。でも全体的には、からっとしていて。侍になるのだ、組を大きくし強くするのだ、徳川幕府を支えるのは会津桑名 そして俺たちだ!という気概が全体に溢れています。今日は、強い雨が降る1日でした。夫も私も風邪気味なので外出はとり止めて猫たちと暖かくして過ごしました。明日は、図書館に予約した「斉藤一の謎」「新選組余話」を借りてこようと思います。しばらく図書館通いが続きそうです(^^)