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私は犬業界を去るので関係ない事ではありますが次に施行される対面販売の義務化には懸念を抱いています。実際の仔犬を見て説明を口頭で受けるのは大変良い事なのですが近くに希望の子がいない場合は遠方まで何らかの交通手段と時間とお金を費やして行かなければなりません。 我が家の場合、遠い所だと北海道へ・・かなりな頭数をお迎えいただきました。この法律が施行されれば北海道の方は遥々宮古島まで飛行機を何度も乗り継ぎ、日帰りは出来ない為にホテルに宿泊、レンタカーを借りて最短でも2泊3日は滞在する事になります。時期によって運賃や宿泊料の変動があり安い時期でも飛行機運賃1人あたり6万、家族5人で来ればそれだけで30万となります。その他宿泊費や諸々考えると50万位になるかもしれません。こんな大金を買う(飼い主)側に払う事を国が法で義務付けるなら・・払って見学しないなら法律違反と言うなら、その費用の全てを国が負担すべきです。全て領収書をきってもらい後日行政に請求の申告が出来るようにすれば良いと思うのですが・・・義務と勝手に決めておいてお金だけはそっちで負担してね・・とは後のフォローが無さ過ぎです。何でもそうですが購入方法というのは何通りもあって良い筈、その中から買う側が自身にとって一番良い方法を選択できる、その自由があって良い筈なのに・・先進国日本と言いつつも時代に逆行している様に思わずにはいられません。私にしてみれば売る側は僻地から人口の多い地域に移転して店舗を構えても良し、小売を止め卸専門に移行しても良しで考えれば選択肢は幾らでもありますが買う側は対面しに行かなくてはならないと言う事からは逃れられません、ですからこの法律はブリーダーや販売店の売る側と言うより購入者へ課せられた義務と私は認識しています。去年のパブコメで賛成意見が多かった様ですが実店舗を立地の良い所で運営している方々はともかく、一般の方にとっては不利になる事なのにと思います。 あと、心配なのが自家繁殖の子達を直接ネットで通販しているブリーダー(現時点では私も含めてですが・・)の今後です。恐らく思うに一般個人への販売をこれまでメインにしてきた方々が実店舗への卸専門に移行するケースが増えるでしょう。ブリーダーから直接買うメリット、親犬の情報やそれぞれの犬舎の管理方法について・・仔犬が生まれた時の事、成長の具合、ブリーダーの人柄など多くの情報を得る事ができますが店頭だと○○県産という表示だけ(スーパーの海産物か精肉じゃあるまいし)店員さんも出何処を知っていても買う側にはそれはシークレット、内緒です。これまで対個人でそこそこの売値でやってこれた(やや強気の)繁殖者も今度はショップに買って貰わない限り掃け先が無い為、安く買い叩かれてもそこで売るしかありません。ある純血種を2万円で買い叩き15万で売る業者も出てくるでしょう。その業者ボロ儲けです、安く買い、高く売るのは商売として誰も文句を言える事柄ではありません。 繁殖者というのは言いかえれば農家(但し国の補償無し)と同じ、ちゃんと畑を耕作して良い種を蒔き適時に肥料を与え、水もしっかり与えて丹精込めて作物を作ります。そうして商品になった物のお金で来年用の種や肥料を買う事ができるのです。良い物を作る為には労力とそれなりのお金が必要なのです。仔犬も足元を見て買い叩く業者が増えれば繁殖する側も維持にお金を掛ける事が出来なくなり、高級なドッグフードを止めてホームセンターの安価な餌へ変え、空調も節約の為過酷な暑さ、寒さの中で管理、人件費を削って1人当たり多くの頭数を見て管理が行き届かず、親犬の定期検診に行く事も止め、消毒等も節約して・・という流れになるのでは・・そうやって生み出された子をただ○○県産の表示だけで大枚をはたいて買うことになります。一部の業者は対面販売、万々歳で大繁栄を遂げるでしょうが犬達や買う側の方々ついては気の毒に思えます。 またもう一つ、マイナーな犬猫いついては国内で繁殖者が少なく、血統のラインも限られています。それらの繁殖者は血が近くならない様に気を付けて自身の血統を大切にしていますが、この法律で希少な種のブリーダーが少数でも止めてしまうと新しい血液の導入が出来なくなり種の維持が出来ない、若しくは無理して近親での交配をせざるを得なくなるでしょう。 国が考えた法律なので何を言っても仕方ないのですが本当に動物にとって、人にとって良いものだろうかと疑問に思えます。元来、プロテスト色の強い私なので余計に思ってしまいますが、とにかく、「お上のする事は分からん」・・と言う事です。(だから浜省の歌を口ずさんでしまうのです・・関係ないけど) 良い子をこの世に送り出そうと労力もお金も惜しまず、犬質の向上を目指し信念を持って繁殖している(真面目な)人が馬鹿を見ない世の中(日本)であって欲しいものです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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