ジェームズ・ゴールドマン「フォリーズ」 神戸アートヴィレッジセンター
ナショナル・シアター・ライヴシリーズ、2018年最後のプログラム。「フォリーズ」をアートヴィレッジ神戸でみた。
最初に演出家ドミニク・クックのインタビューがあって、続けてスティーヴン・ソンドハイムという作曲家のインタビューがあった。二人とも有名な人らしいが、ぼくは知らない。でも、こういうインタビューを番組につけてくれると、なんか、わかったような気がして、ほっとする。
ブロードウェイのミュージカルの再演で、イギリスの俳優たちによって演じられたらしい。全くの素人なので、恐る恐る見る感じだったが、十分堪能した。
物語の筋云々など、まあ、どうでもいい感じで、音楽とダンスの素晴らしさが、きっと見所なんだろうと納得した。
若いころダンサーだった八人ほどの老婆が登場人物。その当時から40年から30年経っているという設定。太っていたり、どうも足が弱っていたり。アメリカの人って、こういう感じの「同窓会」ものが、結構好きなんだな。映画でも小説でも結構あると思う。
で、老婆に若い女優が扮しているのか、本当に老婆なのかといぶかしく思っていると、その女優たちが勢ぞろいして踊りはじめる。途中で、当時の彼女たちに扮した若いダンサーたちがすり替わっって華麗なタップダンスになる。
やっぱり老婆なんだ、やっぱり無理なんだと思っていると、最後には堂々とそろってタップを踏んで踊りはじめるではないか。
スゴイ、スゴイ!
このシーンがあるだけでも、ぼくにはこの映画は見た甲斐があったというもんだ。
ドラマとしては二組の不幸なカップルの話なんだけれど、主役(?)のサリーを演じているイメルダ・スタウントンという女優さんは、イギリスでは実力派の女優さんらしい。味のある演技で受けていた。(後で気付いたことだが「輝ける人生」のサンドラね。やっぱり上手なんだ。だんだん、役者さんを覚えていくのも楽しみ。)
でも、ぼくは、その敵役(?)フィリスを演じたジェイニー・ディーという女の人(写真の右の人)の動きに惹かれた。大柄な人だと感じたが、実際はわからない。ダンスも歌も、なんか、ほれぼれしてしまった。アップのようすでは、そんなに印象的な美人というわけでもないのだけれど、動き出すと、色っぽいし、すごい美人に見える。なんでだろう。まあ、単なる好みかもしれない。
昔「四季」で「コーラスライン」を見たことがあるが、その後日談のようなもんだ。でも、こういう「人生ドラマ」を、何の臭みもなくやれるアメリカってのは、いや、イギリス(?)はすごいなあ。
実際、言葉がわからないので、字幕にくぎ付けふうになって、ただの映画や、お芝居のときよりも、なんか、不便を感じてしまった。意味なんか関係なく、雰囲気に浸ればいいのだろうけれど、それが、なかなかできない。落ち着いて歌を聞いたりダンスを見たりしていられない感じがしたのが、初体験だった。
外に出るといよいよ冬の寒さが待っていて、徘徊老人には、どうもつらい季節到来であるらしい。トホホ・・・
原題「Follies 」 2時間35分(休憩なし)
上演劇場:ナショナル・シアター オリヴィエ劇場
脚本:ジェームズ・ゴールドマン
音楽:スティーヴン・ソンドハイム
演出: ドミニク・クック
出演:イメルダ・スタウントン、トレイシー・ベネット、ジェイニー・ディー
2018-12-10
追記 2019・06・19
イメルダ・スタウトンは、映画「輝ける人生」、この「フォーリーズ」と同じナショナルシアタ―・ライヴで上映された舞台「ヴァージニアウルフなんかこわくない」で再会して、すっかりファンになりました。
追記
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どれもそうなのですが、最初のイメージを乗り越えていくような演技はすごいですね。どういっていいのかわかりませんが、役者を見に行きたいと思わせてくれる人です。今後も出演作を探すのが楽しみですね。
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