浦沢直樹 「夢印」 (小学館)
久しぶりに届いたヤサイクンのマンガ便のなかに浦沢直樹「夢印」(小学館)が一冊入っていた。
「浦沢の最新作やで。」
「ふーん?ゆめじるしか?何巻まであるの?ビリーバットやったっけか、あれは終わったん?」
「もうムジルシ。ムジルシ、結構評判よ。一巻読み切り。ビリーバットは終わったよ。あんな、これは、ル-ヴル美術館との共同企画やの。」
「なんで、ルーヴル美術館が出てくんねん?」
「フランスでは芸術やねんて、マンガは。そやから、ルーヴル美術館が浦沢に描かしたわけ。」
「フランスは日本よりマンガが流行ってんねん。スラムダンクとか、みんなフランス語版になってんねんて。週刊漫画あるやろ、『ジャンプ』とかに連載してて、流行ってんのな、『ワンピース』とか。ユーチューブで読めんねんけどな。普通の発売日の前の週には出てんねん。フランス語とか英語とかで。」
「なんや、ほんまかいな、それ。翻訳して、絵はまんまか?ヤサイクンは横文字のを読むの?」
「読めるかいな。おれは日本語版。」
ヤサイクンも、偶然その場にいたピーチ姫も、現代マンガ事情に詳しい。シマクマ君はポカンとしながら聞いていて、なにやらキツネにつままれたような気分。 一週間ほどして、再びヤサイクンがやってきた。
「『ムジルシ』読んだで。長い話を軽くまとめた感じやな。なんか、もの足らんかったわ。なんや、一冊のわりにはこみいってるな。浦沢直樹も、エラなってんやな。美術館に頼まれて描いた感じは、ようわからんかったけど。フェルメールの模写か?そんなん出てたな。」
「話がめんどくさいのは、ずっとやろ。いろいろ仕込んでるネタ、伏線いうんか、忘れてしまうやろ、途中で。読み返さんとわからんようになるやん。これ、一冊で、わかりやすいやん。」
「まあ、そういういい方もあるかな。この人、めんどくさいから面白いともいえるけどな。そや、カラスといえば、マリアやろっていうギャグわかった?『二十世紀少年』うちにあるんかな?あるはずやんな。ちょっと見たいんやけど。」 「そっちの棚のどっかにあるやろ。ああ、マリア・カラスやろ?」
何はともあれ、浦沢の作品としては、チョー短編。読み終わってみると、ホントはここから始まるような感じが残るけれど、お話としては完結している。大きすぎる話を、短くまとめたからかもしれない。ちょっとネタ晴らしになるが、「夢印」はちゃんと表紙の真ん中に書いてあった。
浦沢ファンは、一応、読んだら、っていう感じ。マンガのなかで世界は騒然とするけど、で世界が騒然とするかどうか、保証の限りではない。(S)
追記
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