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カテゴリ:読書案内「日本語・教育」
山田史生「受験生のための一夜漬け漢文教室」(ちくまプリマー新書)
教員を目指している人にも、だから当然、受験生にも、漢文が苦手という人が結構たくさんいらっしゃいますね。受験勉強でも、授業の教材でも、本当はね、「漢文」は難しくないんですよ、ということを教えてくれる本を紹介します。 おわかりでしょうか。実はセンセー方の大半もご存じないし、知っていても時間がかかるからすっ飛ばしている。そういう所から入るんですよね、この参考書は。 「漢字から漢文への文化の変遷」が意識されてるこういう「漢文」の参考書は、僕が知る限りあまりありません。 次は「漢文から日本語へ」という移入の扱われ方ですね。「反語」の説明のところにこんな会話があります。 父 内情を言えば、反語の訳の後ろに「~ない」を付けさせるのはセンセーの採点の都合のためだったりするのです。わかっているかどうか、言うことを聞いているかどうか、確かめたくて仕方がないのがセンセーというものなのですね。 ところが、この本は、漢字の本質から漢文へ。漢文から自然な日本語へ。筆者の考えが一貫していて、信用できる。これなら、苦手な皆さんも読めるんじゃないでしょうか。 これを読んでおもしろければ、次は「白文なんか読めなくても大丈夫。」と喝破する加地伸行さんの「漢文法基礎」(講談社学術文庫)がおすすめ。小川環樹さんの「漢文入門」(岩波全書)にたどり着ければ高校の教科書やセンター試験どころの話ではなくなりますね。(S) 大学受験漢文について、トータルな力の養成にはこっちですね。書き手の実力が半端じゃありません。 2018/06/05 ボタン押してね! ボタン押してね! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2024.04.27 23:25:17
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