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上田慎一郎 「カメラを止めるな!」 元町映画館 no3
世間で起きていることは何事にもウトイぼくでさえ、評判になっていることは知っていました。元町映画館4時30分開始のチケットを3時50分に購入して44番でした。 「おっ、バースやんけ。やっぱ8時半の来週来たほうがよかったかな?」 昔はよく座っていた一番前の真ん中へ座りました。結局、最前列なのに、いや、なのでか、ぼくの右側だけが空き席で、後ろは、どうも満員ポイ様子でした。最近の映画館では、あまり感じないムードが漂っていました。 で、「カメラを止めるな!」が始まりました。 隣はアベックでした。映画が終わって、おにーちゃんの方が拍手していました。ぼくはしませんでした。もちろん泣いたりもしませんでしたし、いまいち、ドキドキもしませんでした。 前評判や、レビューは読まない方がいいタイプだと思って、全く予習なしで観ましたが、チラシを見て、なんとなく予想していた展開で、高校生の映画コンクールの作品みたいでしたが、おにーちゃんの拍手には、もっともだと思いました。とか何とかいいながら、結構喜んで見ていたんですね。 トリュフォーの「アメリカの夜」を思い出しましたが ― 古くてしゃらくさいことを覚えていますね ― 残念ながら、この映画にはトリュフォーの映画の、時代や文化に対する批評性はないとしゃらくさいことを思いました。 久しぶりに、映画の最中に笑い声が上がるのを聞きました。みんなが喜んでいる雰囲気の映画館はいいものです。終わった時に、みんな拍手するのかなと待ち構えましたが、隣のおにーちゃんだけでした。それも、変といえば変でした。 「きっと、映画ファンが増えるタイプの映画なんやろうな。」 そう思いました。それは、やっぱりいいことかな、と思いました。でも、こういう雰囲気の映画がもてはやされて、こういう雰囲気を賞賛するムードが広がるのもどうかなと思いました。 「でも、まあ、これは、ぼくが見たがっている映画とは違うということに過ぎないかもしれなあ。『アメリカの夜』はもう一回見てもええんやけどなあ。そこのところがよくわからんなあ。」 そんなことを考えながら、三宮まで歩きました。 どんよりと曇った夕暮れでしたが、元町商店街も三宮センター街も、思いのほかの人で、ごった返していました。2018/09/12 元町映画館no3 追記2019・04・19 見たのはブームの始まりの頃だったのか、そのあと、ますます評判になりました。知り合いの大学生さんが、映画を作る側になる夢と一緒に語ってくれたりするのに出会ったりしました。 「いいなあ。」と思う反面、 「ちょっとちゃうんちゃうかなあ。」と思ったりもしました。もちろん口には出しませんが(笑)。 追記2020・03・30 テレビのバラエティ番組に見たことがあるなと思った顔が映っていたので、チャンネルを止めてみていると、この映画の主役のカメラマン役で、多分、監督をしていた男性でした。 「ブームから一年半経つとこういうところに出るようになるんや。」 新しい映画の宣伝でもしているのでしょうか。なんか不思議な気がしましたが、チャンネルは、すぐに変えました。 ボタン押してね! ボタン押してね! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2023.07.07 12:13:19
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