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カテゴリ:映画 アメリカの監督
ペール・フライ「バグダッド・スキャンダル」元町映画館no6 神戸の元町映画館は毎週金曜日がプログラムの最終日です。で、今週、この映画館で見たいと思っていた映画が三本ありました。 「審判」、「まぼろしの市街戦」、そして、この「バグドスキャンダル」です。 「まぼろしの市街戦」は木曜日の夜の19:20分開始を、頑張って見ました。さあ、最終の金曜日です。朝からの二本立ては、やっぱり、挫折!シマクマ君的「イラク侵攻」ペテンシリーズ第三弾「バグダッドスキャンダル」12:50開始。これで決まりです。 スクリーンにビルが立ち並んでいます。うーん、これはニューヨークなのでしょうね。高層ビルの入り口に一人の青年がいて、ガラス張りの建物の中に入ってゆきます。 「初めて見る顔ですが、男前ですなあ。」 彼は転職を希望しているらしく、夢は国連外交官のようです。5歳の時に死に別れた父親の仕事を追いかけているらしく、いわゆる「ビルドゥングス ロマン」の始まりのようです。「マイケル・サリバン(テオ・ジェームズ)の修業時代」の始まりというわけです。 マイケルを国連に引き入れるのが、父の同僚だった事務次長ベン・キングズレー演じるコスタ・パサリスという人物です。 「うーん、どこかで見たことがあるなあ。」 調べてみると映画「ガンジー」の、ガンジーでした。下の写真の人ですね。いやはや、本当に同じ俳優ですかね?(笑) 彼はサダム・フセインのイラクがクウェートに侵攻したことい対する経済制裁下での、国連による人道支援を取り仕切っている男という役柄です。で、200億ドルという大金が動く、そのプロジェクトの特別補佐官としてイラクへ向かうのが、マイケルの初仕事でした。 そこで出会うのが現地事務所のやりて女性所長デュプレ。このプロジェクトを批判していたパサリスの政敵です。 写真をよーくご覧ください。この方がなんと、あのジャクリーン・ビセットだとおわかりでしょうか。もちろん現在の74歳のお顔です。ボクとか、学生時代でした。映画館に通っていたあの頃、だから1970年代ですが、そのころにはセクシー・アイドル女優だった、あの人です。スティーブ・マックイーンの主演した「ブリット」のヒロインだったあの人です。下の写真の方ですね。まあ、ぼく自身は格別あこがれたわけではないのですが、人気があったことは事実です。うーん、 今の人は知らんか? で、映画に戻ります。マイケルが出会う、もう一人の女性がナシームという現地通訳です。実はクルド人の反フセイン闘争のスパイです。ベルシム・ビルギンという女優だそうですが、この人は知りませんでした。 結果的にいうと、国連外交官というマイケルの夢は成就しません。原題が「Backstabbing for Beginners」とあるのですが、「初心者をだます奴」とでもいう意味のようですね。 マイケルをだましたのは「ガンジー」か、「ジャクリーン・ビセット」か、はたまた「クルド人の女スパイ」か。 そのあたりのサスペンスが、なかなか面白いし、筋運びもオーソドックスです。錯綜した現実の中、成長途上の青年のピュアな失恋も悪くなかったです。にもかかわらず、スクリーンが暗くなって明かりが点灯したときに、思わずため息が出た。 「あーあっ、国連も金まみれかよ。チェイニーが宝の山を見つける前哨戦を見せられてもなあ。」 「インチキなイラク侵攻」シリーズ第三弾でした。結果、アメリカも国連も、尻馬に乗ったどこかの国も、どいつもこいつもカスという結論でした。金に群がった百何十社の中にどこかの国の企業も名を連ねているに違いないし、気分が悪くなるような話がもっとあるのでしょうね。 何となく元気が出ないまま、商店街に出て、見上げると「令和」の大きな垂れ幕です。ますます気分が載らないので南に出て、西に向かって歩き出す。 「センセー!」 ママチャリに乗った、ちょっと見はおばちゃんふうの女性が手を振っています。こんなところで、誰かに手を振ってもらうなんてめったにないことです。ちょっとたじろいで、ジーっと様子をうかがっていて、ようやく思い出しました。神戸の地震の前の年に高校を卒業して、東京に進学した女性です。 「おー、シッカリ者のゆみこさん。こんなとこで何してんねん?」 路上で小一時間、ウダウダ、ウダウダ、立ち話でした。今買ってきたばかりという「スイミー牛乳店」のヨーグルトまでいただいて、 またね! を約束して別れました。 「今日は映画みてよかった。元号イヤで、道かえてよかった。こういう日もある。捨てたもんやない。」 監督 ペール・フライ Per Fly 製作 ラース・クヌードセン ニコライ・ビーベ・ミケルセン ダニエル・ベーカーマン マリーヌ・ブレンコフ 原作 マイケル・スーサン 脚本 ダニエル・パイン ペール・フライ 撮影 ブレンダン・ステイシー 美術 ニールス・セイエ 衣装 ルース・セコード 音楽 トドール・カバコフ キャスト テオ・ジェームズ(マイケル・サリバン) ベン・キングズレー(コスタ・パサリス) ベルシム・ビルギン(ナシーム・フセイニ) ジャクリーン・ビセット(クリスティーナ・デュプレ) ロッシフ・サザーランド レイチェル・ウィルソン 原題「Backstabbing for Beginners」 2018年 デンマーク・カナダ・アメリカ合作 106分 2019・04・26・元町映画館no6 追記2020・02・06 「インチキなイラク侵攻」シリーズ第一弾「記者たち」・第二弾「バイス」・第四弾「リトル・バーズ」はそれぞれクリックしてみてね。 ボタン押してね! にほんブログ村 にほんブログ村 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2023.08.08 22:20:52
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