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ゴジラ老人シマクマ君の日々

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2019.05.02
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「神戸、春の雨」 ​徘徊日記 2019年​ 新開地あたり
​​​ 今日は戦中から戦後、神戸の繁華街の代名詞、新開地を歩いています。ここには地下鉄の駅があります。よく考えてみると、この駅、正式には何と呼ぶのか知りません。
 神戸電鉄の起点と終点があって、山陽電車、阪急、阪神も乗り入れているのですが、「阪急新開地駅」とは言わないような気もするのですね。
 その新開地駅から高速神戸駅にかけて地下道があって、これを「メトロこうべ」と呼ぶのは知っています。薄暗い通りにそって古くなった卓球場と、神戸学院だったか、地元の大学生が書いた壁画があったはずです。露天ではありません。だって地下道です。壁際にずっと本を並べている古本屋さんが昔からありました。
 地上を歩けばの神戸を代表するピンクゾーン福原の柳筋や桜筋の門前を通ることになります。お寺とかの参道ではないのですが、実際、通りの名を書いたアーケード型の門が今でもあるのですが、昔の、何というか、ちょっと気恥ずかしくなる猥雑な賑わいはありません。
 記憶では地上は明るくて地下は暗かったのですが、春雨模様なので、ひさしぶりに地下を歩くとちょっとリニューアルされていました。
 「卓球場も改装してねんや、通りも明るくなったよな。おっと、壁画が変わっとるやん。」

 ​「そごうデパートの前を市電か。市バスはおんなじや。青いのは阪神バスかなあ。」​
「これは新開地かな。神鉄の宣伝しとるからなあ。聚楽館か?」​
「三宮の阪急やな。ミゼットが走っとんなあ。オート三輪いうてたんやな。神戸高速鉄道か、50年代の終わりころやな。」

「ちょっと角度かえて撮ったろ。なんか不思議な感じするやろ。どこまでが絵で、どこからが壁かわからんやろ。」
 どの絵も、たぶん、60年代三宮新開地の駅前あたりです。そごうデパート阪急文化のビル、市電ダイハツ・ミゼットが、70年代から神戸で暮らしてきたぼくにも懐かしい。
 もっとも、正確に言うと、ぼくが神戸に来たのは1975で、市電は廃止されていました。よく乗っていたバスの石屋川車庫という終点の停留所が、市電の車庫の名残なんてことは気づきもしませんでした。オート三輪型のミゼットも、それ以前の子供時代の記憶で、神戸で見た記憶はありません。だから、本当は、この風景は建物の分だけ、半分だけ懐かしいはずです。ところが不思議なことに全部が懐かしいんですね、こうして眺めていると。
 
「そういえば、地震の後やったか。みんな変わったんや。市役所なんかへしゃげてまいよったんやからなあ。なんか、泣けてくるなあ。」 
 国際会館、そごう、新聞会館も改装されて久しい。いや、そごうなんてなくなって、今は阪急ですね。阪急の駅ビルは真っさらの工事中で、最近、JRの三宮も工事に入りました。
 「そうや、古い三ノ宮駅写真に撮っとかな。ちょっと、三宮まで歩こかな。」
​​​​​​​

​ ちと休め 張子の虎も 春の雨   夏目漱石​
 忙しい世間は、何が何でも新しくなりたいらしいですね。そういえばトラは春から休んでばっかりちゃうか。
追記2020・05・06
 今年は「トラ」だけじゃなくて、みんなが休んでいます。当初、ここのところ鳴かず飛ばずの若トラが、やり玉に挙げられて気の毒でしたが、もう古い過去のことのように時間が経過しています。
 時間は経つのですが、何の灯も見えない雰囲気が続いています。これは、やはり歴史的事件になりそうですね。



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最終更新日  2023.07.22 23:01:26
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