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佐藤信介「キングダム」OSシネマズ・ハーバーランド
実は、原泰久のマンガ「キングダム」(集英社)の隠れファンなのである。マンガはただいま54巻まで到達しているが、天下統一への道はまだまだ遠い。 秦軍は、戦国の七雄、隣国の韓と闘いを始めたばかりで、あと五か国を滅ぼす必要がある。数年がかり。作者の原泰久さんは2006年に「キングダム」を書き始めて十年を超える。手塚治虫文化賞ももらったし、彼自身も四十歳を越えてしまったのだが、今の調子で書いていくなら、紀元前221年の秦の統一で完成と考えても、後、十年では無理だろう。ちなみに秦王「政」が、始皇帝となってからもいろいろあるし、と、考えれば、ホントに完成するんだろうかという、期待というか、不安さえある。 さて映画の「キングダム」は、50巻到達記念の制作らしいが、すでにアニメもあるし、ゲームもある。ラジオドラマさえあるらしいので実写版となった(のかな)。いつもは見ないタイプの映画なのだが、今日は勇んでやってきた。 ハーバーランドのOSシネマは案外空いていて、なかなか快適だった。 眠っている主人公「信」が木の檻の中で目覚めるシーンから始まった。遠くの軍団を眺めて感動しているようだ。 こすっからい顔つきの主人(六平直政)の下で、もう一人の戦災孤児「漂」と出会い、二人が青雲の志を誓い合い、剣術の練習に励む日々が映しだされていく。 ところが画面を見ながら、奇妙な違和感で落ち着かない。 「あっ、そうか、この子らが、現代日本語をしゃべってるのが変なんや。画面と言葉が、全く合うてへんやん。これ、中国の歴史ちゃうんか?」 邦画の娯楽作品を、映画もテレビも、あまり見ていないからかもしれないが、中国古代の孤児たちが、今の日本語で会話しているのが、何とも不思議な拒否感というか、ズレの感覚を引き起こしているのだろうか、どうも落ち着かない。 まあ、文句を言っても仕方がないとあきらめて、画面の展開を見ていて、何となく落ち着いていった。 知っている「マンガ」の絵を映像が、かなり丁寧に追いかけていて、「それで?それで?」とシーンの展開についていくのに何の抵抗も感じなくなりはじめたのだ。「信」を演じる山崎君なんて、だんだんと原作「キングダム」のマンガのシルエットそっくりになっていく。 「そうか、これは想像しとったマンガの実写版とはちゃうな。まあ、いうたら実写化なんや。セリフも、日本語、マンガの吹き出しのセリフのまんま、ガキ言葉でええんや。シーンも、マンガのコマの中にあったまんまなんや。マンガの絵のように動かしとんねや。」 というわけで、結構はまって、最後まで面白く見終わりました。
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最終更新日
2024.07.16 22:57:06
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