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ゴジラ老人シマクマ君の日々

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2019.06.16
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​​パブロ・ソラルス  「家へ帰ろう El ultimo traje」 シネリーブル神戸
          ​映画com(映画情報はここをクリック)
 映画が始まった。
 
画面いっぱいに目ばかりぎょろぎょろしていて、とても街の仕立て屋には見えないこの男の顔がある。
 男は不機嫌だ。​
手触りがごつごつしていて、見かけもよくない。その上、嵩も高いし、重くて邪魔になる。どこかで静かに転がっていてほしい、そんな岩のような老人がいる。
 娘たちに疎んじられたリヤ王の顰に倣うかのように老人はさまよいでるのだ。行き先は、小さなメモ用紙に書かれてはいるが、決して声に出して読み上げようとしない。
  書いてある国の名は「ポーランド」。​アルゼンチンからポーランドは遠い。​
頑固にこだわり続けながら、一方で、ころがる大岩のように無計画な旅。
 70年ぶりの帰国なのに、理由も目的地も説明しないうえに、賄賂をちらつかせる老人を、今時、おいそれと入国させる管理官はいないし、安ホテルの置き引きは何の容赦もなく全財産持って行ってしまう。だいたい、陸路でドイツを通らずポーランドには行けない。
 疲れ果てて居眠りする老人の夢が、彼を頑固な岩にしたいきさつを語る。岩で全身を鎧い、思い込んだ執念だけの男の「心の友」は、あの時以来、70年間、痛み続けた右足だけだ。
 アコーディオンをひいて殺された父親。
 10歳になれなかった美しい妹。
 番号を入れ墨されながらも逃げ延びた青年。
 夢は過酷な過去をなぞりながら、その過去の現場に戻る事を恐れる老人の「生」そのものを映し出してゆく。
 
でもね、助けてくれるおばさんや、若い人もいるんだ。
 右足を切断しないと判断してくれた医者とそれを伝え、車で送ってくれる看護師。
 何だか凄みのあるホテルの女主人。
 ベンチで隣に座った青年。
 とてもコーデリアとは言えないが、父親と同じ刺青をしている末娘。
 困った老人を放っておけない旅する文化人類学者や旅人たち。
 ひっそりと、街の仕立て屋暮らしを70年続けて、今でもミシンの前に座り続けて老人を待っていた男。
 ​​枯れ木のような老人が岩のような老人を抱きかかえる。​

​​ エンドロールが流れ始める。岩のような老人の後ろ姿を見つめながら、涙が止まらない。こうして、一人の男が生きてきたことが、旅の途中、出会った人たちに伝わっていたことがうれしかった。同じようにじっと黙って暮らしながら、待っていた男がいたことがうれしかった。
 一着の青いスーツを運ぶ旅。大文字で語られる歴史ではない。人間と人間が生きて出会う姿を描いた監督に拍手。​


 監督 パブロ・ソラルス
 キャスト
 ミゲル・アンヘル・ソラ(ブルスティン・アブラハム)
 アンヘラ・モリーナ(マリア)
 オルガ・ボラズ(ゴーシャ)
 ユリア・ベアホルト(イングリッド )
 マルティン・ピロヤンスキー(レオナルド 隣席の男)

原題 El ultimo traje
2017年 スペイン・アルゼンチン合作 93分      ​2019・01・22・シネ・リーブル神戸
(no13)
追記2019・06・16
「ドイツという国には、決して足を踏み入れたくない。」虚仮の一念のように、生涯、ドイツを憎み続ける主人公の老人がいる。その思い込みは、時に滑稽でおろかに見えるかもしれない。しかし、同じように日本のことを感じている人が、アジアにも大勢いることを笑ってごまかすことはできないと思う。
 生きている人間・生きていた人間を、あたかも消しゴムで消すような真似はしてはいけない。
 否応なく、その時代と社会を生きてきた老人の「右足」がすべてお見通しなのだから。
 そう感じた映画でもあった。
追記2020・04・03

 徐京植「プリーモ・レーヴィへの旅」(晃洋書房)という本を読み終えて、この映画を思い出した。
 歴史を、今を生きている人間の都合で偽ってはいけない。個人のであろうが、国家のであろうが、「ことば」にして言う必要が必ずしもあるわけではない。思い出したくないことも、言いたくないことも、あるいは、言ってはならないと感じることさえあるだろう。もちろん、言っても誰にも通じないこともある。

 しかし、あったことを、なかったことにして吹聴するようなことはしてはならない。
 「プリーモ・レーヴィへの旅」の感想は題名をクリックしてみてください。


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最終更新日  2023.12.24 23:26:15
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