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カテゴリ:映画 アメリカの監督
ブルース・スピーゲル「ビル・エヴァンス タイム・リメンバード」
神戸アートヴィレッジ・センタ― ビル・エバンスの直角に曲げられた肘。いかがですか、「Bill Evans/Time Remembered」のチラシです。部屋の壁に貼りたくなる写真ですね。 ジャズを語るほど知ってるわけじゃないし、ビル・エバンスだって聞きやすいから聞いてたんですね。こだわって集めたりしたわけではありません。 その割には、初期からずっーと、CDとか、レコードとか、iTunesとかでそろっています。最近ではユーチューブなんていうメディアもあります。鳴りっぱなしになっている部屋の小さなスピーカーから「Waltz for Debby」とか「枯葉」とか聞こえてくると、ちょっと手が止まります。 神戸アートヴィレッジセンターの映画用のホールは100席足らずの小さなホールです。座席も今風のものではなく、座り心地がいいとは、ちょっと言えないですが、音響が穏やかで、こういう音楽映画を見ると落ち着きますね。以前、グレン・グールドのドキュメンタリーもここで見た記憶がありますが、ピッタリでした。 映画は少年時代のビル・エバンスから始まりますが、マイルス・デイビスの「カインド・オブ・ブルー」が流れてきたあたりから、眼も耳もくぎ付けでした。コルトレーンが吹いている横でビル・エバンスが弾いています。 昔、三宮に「ピサ」とか「トリオ」とか、阪急の今津線の沿線に住んでいたころは西宮北口の「Duo」とか、よく行くジャズ喫茶がありました。ぼくの時代には、たいていすいていました。一人で本を読みながら、一時間も二時間も座っていました。そういうことが、頭の中に湧き上がってきます。40年前の話です。映画は次から次へと記憶を引っ張り出してきます。 ジム・ホールがビル。エバンスのことを語っていて、セッションの映像と音楽が流れてきます。ギターとピアノが語り合っているみたいに聞こえます。確か、水の女という感じの印象的なジャケットがありましたね。 あとは、哀しいことばかりです。薬物中毒にしろ、女性との出会い方、兄や家族との関係、見ていて痛々しいことばかりです。あたかも自殺であるかのような、突然の死がやってきて映画は終わりました。 見終わって、しばらく立ちあがれませんでした。結ばれた口元、表情を見せないサングラス、一人でピアノにかぶさっていくあの背中。 「一人ぼっちのビル」 そういう、ミーハーなイメージでしか言えないのが恥ずかしいのですが、ただ、彼の音楽がぼくの中で何故ずっと忘れられないのかが、よくわかった気がしました。 ボタン押してね! ボタン押してね! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2023.12.26 23:55:46
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