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カテゴリ:徘徊日記 団地界隈
「白い彼岸花が咲きました。」 徘徊日記 2019年 秋 団地あたり
我が家のベランダの鼻先の庭と、玄関側の原付バイクを置いている植え込みの向こうに、毎年彼岸花が咲きます。西洋名はリコリス・ラジアータだそうです。「リコリス」はギリシア神話に出て来る海の女神の名で、「ラジアータ」は放射状という意味だそうです。英語では「Red Spider Lily」、「赤い蜘蛛のユリ」、なんか凄い名前ですが、感じはわかりますね。 今年も、やはり、九月のお彼岸の頃に咲きましたが、花の盛りはあっという間でもう枯れてしまいました。その中に白い花群があることに初めて気づきました。 「白い彼岸花が咲いてんで。」 チッチキ夫人は知っていたようです。 ぼくが知らなかったことがもう一つあります。彼岸花は種をつけないのだそうです。徘徊のお供の本である田中修という人の「雑草のはなし」(中公新書)や多田多恵子さんの「したたかな植物たち」(ちくま文庫)に三倍体とかの解説が載っていますが、「彼岸花」とか「西洋タンポポ」がその代表選手らしくて、両方とも、それぞれ、いろんなところで見かける花なのですが、同じ遺伝子のクローンなんだそうです。スゴイですね。 「で、じゃあ、白い彼岸花は?」 原産地の中国には黄色と赤色の花の二倍体の原種があるらしくて、その二つの交雑種が「白」になったんだそうです。ちなみに「シロバナマンジュシャゲ」というのが名前で、黄色の彼岸花は「ショウキズイセン」、「小黄水仙」でしょうか、「キツネノカミソリ」とも呼ぶそうです。 ところで、赤い彼岸花ですが、いくつくらい呼び名があるのかご存知でしょうか。数え上げれば1000を超えるそうです。 死人花(しびとばな)、地獄花(じごくばな)、幽霊花(ゆうれいばな)、蛇花(へびのはな)、剃刀花(かみそりばな)、狐花(きつねばな)、捨子花(すてごばな)、はっかけばばあ。 ウィキペディアのコピーだけでこれだけ出てきますが、縁起が悪いことおびただしい感じですね。 一方で「ハミズハナミズ」とか「相思華」とか呼ばれることもあるそうです。葉と花の季節が冬と秋、葉は冬の間に繁茂し、春には枯れてしまい、秋になって茎だけ伸びて花をつける、二つが半年ずれているせいでついた名だそうです。「葉見ず花見ず」、葉と花が出会えない互いを想う、そういう名ですね。 この秋、知人の庭で二輪の花が風に揺れているのを見ました。そのとき、「曼殊沙華」という名があったことを思い出しました。天上の花ですね。 幻の 柩野をゆく 曼珠沙華 角川源義 この花が終わると、夕暮れが早くなり、空気が澄んで、風が冷たく感じられるようになり始めますね。もうすぐに冬です。 ボタン押してね! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2023.10.13 02:02:41
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