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カテゴリ:映画 フランスの監督
ミッシェル・オスロ「ディリリとパリの時間旅行」元町映画館
元町映画館、またまたクリーン・ヒットでした。映画館徘徊の、この二年間で、初めてのアニメ。予告編で「なんか面白そうやん。」と気付きました。帰りにカウンターで声をかけると「ベルエポックのパリですよ。」と笑顔のお返事。「なにっ?ベルエポック?」 19世紀世紀末から20世紀初頭のパリですね。エッフェル塔、博覧会、飛行船、パサージュ・・・チラシを見ていると、いろいろ思いうかびますね。 「こら、見なあかんやん!」 いつもの席に座って、お茶を一口、映画が始まりました。シーンはどこか南洋の島ですね、ゴーギャンの登場人物と似ていますね、と思いきや・・・。なんと、パリの見世物小屋、まさに、ベルエポックのパリ!このスタートはただ者ではありません。 見世物の出演者、ニューカレドニア、オーストラリアの向こう、フランスの植民地からやってきた少女ディリリが、三輪車乗りの青年オレルと出会うんです。三輪車というのがいいですね。 ここから、パリの街を縦横に駆け巡る二人の冒険が始まります。挑むのは少女誘拐事件。 エッフェル塔、オペラ座、広場、大通り、地下水道、美術館。この背景の美しさは何でしょうね、街角に貼られたロートレックやジュール・シュレのポスター、塔から俯瞰したパリの街、まさに「巴里」って感じですよ。まあ、パリなんて空想でしか知りませんが、写真なのか、絵なのか、ともかく、こんなアニメ見たことないっていう感じですね。 その夢のような世界をディリリとオレルが滑るように動くんです。二人のパトロン、素敵なオペラ歌手、エマ・カルヴェもきっと実在なんでしょうね。 キュリー夫人、パスツール、ピカソ、マティス、モネ、ルノアール、プルースト、サラ・ベルナール、ギュスターヴ・エッフェル、ツェッペリン伯爵 、出てくるわ、出てくるわ、みんな二人の味方です。 敵は「男性第一団」。警視総監も悪役ですね。字幕がそうなっているのですが、最近、どこかで、似たような名前を見たことがあるような気がしますが、小さな女の子を誘拐して、「奴隷の女性」を育てる調教をしているんですね。このあたりの批評センスも納得ですね。 映画の結末はチラシの絵が描いていますが、とても美しくてシャレてます。フランスの子供たちは幸せですね。植民地主義も「男性」権力主義もきちんと批判しています。繁栄のパリの地下、汚水が流れる下水道を活写した社会批評も鋭い。そして、何よりもエッフェル塔に降りてくるツェッペリン飛行船の美しさ。こんなアニメが映画との出会いになるのですから。 一つだけ不満を言えば、「言わなくてもいいのに」ですが、このアニメの邦題を「時間旅行」とつけた、この国の配給会社には、あんまりセンスを感じませんでしたね。 監督・脚本 ミッシェル・オスロ 音楽 ガブリエル・ヤーレ キャスト(声) プリュネル・シャルル=アンブロン(ディリリ) エンゾ・ラツィト(オレル) ナタリー・デセイ(エマ・カルヴェ) 原題「Dilili a Paris」 2018年フランス・ドイツ・ベルギー合作94分 2019・10・23・元町映画館no22 追記2022・11・14 久しぶりにパルシネマに行きました、パルは朝と夜、「朝パル」・「夜パル」と名付けて、1本立て別メニューを始めていらっしゃって、ぼく自身は早すぎるのと遅すぎるのがネックで、うかがうことはできませんが、アイデアには拍手!なのです。 で、11月の後半の朝パルのプログラムが、このアニメで、またまた拍手!でした。皆さん、このアニメは間違いありません(何がやねん!)、面白いですよ。というわけで、便乗というか、応援というか、昔の感想を修繕して再掲します。ぜひご覧ください(笑)。 にほんブログ村 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2023.12.27 22:36:05
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