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ゴジラ老人シマクマ君の日々

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2019.11.01
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​​​「2004年《本》の旅(その6)」​ ​​​池澤夏樹「パレオマニア」(集英社)​
​​​​​​ これも「2004年《本》の旅」と銘打って案内している、過去の案内のリニューアルシリーズ。沖縄からフランスへ行ってしまった池澤夏樹さんは、その後帰国して、たぶん北海道に住んでいらっしゃるようです。池澤さんの大作、「静かな大地」も、この年に出た小説です。​それはまたの機会ということで、今回は「パレオマニア」「イラクの小さな橋を渡って」
案内です。​​​​​​
 ※    ※    ※    ※    ※    ※    ※    ※​
​ 沖縄からフランスに移住してしまった小説家​池澤夏樹に「パレオマニア」(集英社文庫)​という洒落た本があります。​​
​​​​​​​​​​ 彼の趣味である大英博物館通いが高じて、展示されている古代の遺物の現地に行ってみなければ気がすまないという、なんとも贅沢な旅の記録です。
 ちなみに、大英博物館というのは日本のどこかにあるのではなくて、もちろん霧の都ロンドンにあります。イギリス大英帝国の威信をふるっていた時代に、文字通り全世界のお宝を集めまくった博物館です。だいたい、海の向こうの他国の博物館に、元の国にとって国宝級の遺物が所狭しと展示されていること自体が現在では考えられないことですが、植民地主義の時代に世界の覇者として日の没することのない大帝国を作り上げたイギリスだからこその展示品の山であって、一日や二日では、到底、見終えることが出来ない内容を誇っているらしいですが、もちろんボクに行ったことがあるわけではありません(笑)。
 ボク自身は大英博物館どころか、わが国の国立博物館にさえ行ったことかあるかどうか怪しいのだから、わかったように書いていますが、ここまで、みんな作者の口真似です(笑)。​​
​​​​​​​​​ ギリシャに始まって、​エジプト、インド、カナダのトーテムポール、カンボジア、イラン、イラク、トルコ。​
 美しい写真とその地の人々の現在の生活が活写される紀行文。本の作りも美しい。世界史を勉強し始めた高校生にはうってつけの古代文明入門書パレオマニアというのは古代妄想狂という意味の造語。​​
 もっともボクが「パレオマニア」という本を思い出したのは「イラクの小さな橋を渡って」(光文社)という同じ作者の小さな本を読んでいてこんな言葉に出会ったからです。​​

 イラクに行こうと思った。直接の目的は遺跡を見ることだ。数年前からある雑誌に遺跡による文明論を連載している。そのため世界各地へ旅をして、いろいろな遺跡を見てきた。その中には当然、メソポタミアが入るべきなのだが、しかしここは除外するほかないと考えていた。

​​ 週刊だか月刊だか忘れましたが「プレイボーイ」という雑誌に連載していた文章をまとめた本が「パレオマニア」​です。​目の前のこの本「イラクの小さな橋を渡って」と、あの本​「パレオマニア」​は同じ旅から生まれているのです。​
 おなじ場所に立っている一人の文学する人である作者の視点を遺跡から現実の社会に移せばこんな本になるのです。

​そうか、そうか、どうりで面白かったはずだ。​​​
 2001年の秋からアフガニスタン攻撃を追いながら、この種の報道に接している自分とは何者であるかとしばしば考えた。ぼくは政治家でも、外務官僚でも、また石油資本の経営者でもない。もちろん軍人でも革命の戦士でもない。戦争から遠いところにいる普通の日本人の一人だ。自分が石油を大量に消費する国で安楽に暮らしていることを知らないわけではない。今の世界経済システムの恩恵を受けて日々を送っている身なのだ。貧富の差を拡大するばかりのグローバリズムの問題点を論じてはいても、このシステムの外にでて無人島で自給自足で生きていけるわけではない。武力を背景とするアメリカの政治的・経済的な覇権を批判する文章を書いたところで、それ以上のことはできない。それでも想像力はある。2001年の晩秋には、自分がアフガニスタンに生まれていたらとかりに考えてみることはできた。その時に想定したのは軍閥のトップでもタリバンの幹部でもなく、普通の市民という身分、つまり、爆弾を受ける身だった。イラクの事を考えて、もしも戦争になった時に、どういう人々の上に爆弾が降るのか、そこが知りたかった。メディアがそれを伝えないのならば自分で行ってみてこようと思った。


​​​​ こう考えて池澤夏樹くんメソポタミア文明の地、チグリス・ユーフラテスの国イラクを旅するわけです。どこの国にでも、そのように生きている、普通の人びとと出会い、帰ってきて二冊の本を出版する。​​​

 ナシリアの町で一人の男がロータリーの縁石を白と緑に塗り分けていた。走る車の中から一瞬見ただけだが、ペンキの刷毛を動かすその手の動きをぼくはよく覚えている。世界中どこでも人がすることに変わりはない。自分と家族と隣人たちが安楽に暮らせるように地道に努力すること。それ以外に何がある。まだ戦争は回避できるとぼくは思っている。


​​​ ​2002年12月あとがきに、こう書いて小さな本「イラクの小さな橋を渡って」は出版されます。​
 直後にアメリカが戦争を始めます。この小さな本に書かれている人々の生活と、「パレオマニア」の美しい古代文明の国を、ありもしない軍事施設と、結局いなかったテロリストを理由に叩き潰してしまいました。で、そのことは、ボクたちにとっても、​​他人ごとではありませんね。どこかの国の「自衛隊」と名乗っていたはずの、実は『軍隊』もまた参戦しているのですからね。この軍隊がどんな仕事をしているのか、やっぱり調べてみた方がいいと、最近つくづく考えています。池澤夏樹2004年秋、理由は知らないけれど、フランスの田舎町に引越ししてしまったそうです。やれやれ。
 ​​初稿​​2004928・​改稿2019・11・01
​追記2019・11・12
ところで、​「2004年本の旅(その7)」​は、ここをクリックしてくださいね。​
追記2023・02・28
フト、思い出して修繕しました。​​​​​​
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最終更新日  2023.09.29 11:11:00
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