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カテゴリ:読書案内「現代の作家」
平野啓一郎「マチネの終わりに」(毎日新聞出版)
図書館で予約したのが、あれは何月だったのでしょうか。まだセミが鳴いてたような気もします。10月になって、まあ、やっとのことで順番が回ってきて、読み終えました。 その前には、夏まえに、「ある男」というこの作家の最新作を、購入して読みました。久しぶりの平野啓一郎だったので、意表を突かれましたが、今回、「マチネの終わりに」を読んで、納得しました。要するに平野啓一郎は「この路線」の作家になることにしたようですね。 三島由紀夫の再来と騒がれてデビューした青年は、いつの間にか、大衆文学作家になっていて、きっとこれからは、いや、今や、すでに、かもしれませんが、人気作家になるにちがいないし、下手をすると、本屋大賞とかでバカ売れフィーバーするんじゃないかという結論まで思い浮かびました。 まあ、どうでもいいと言えばどうでもいいのですが、でも、それはいいことなんでしょうか。ネットのレビューを見ると絶賛の嵐です。 天才ギタリスト、蒔野聡史。国際ジャーナリストでユーゴスラビア映画の巨匠の娘、小峰洋子。仕事に夢中だった二人が、四十歳という、人生の曲がり角(?)に差し掛かって初めて経験する切なすぎる恋。 誉め言葉が尽きませんね。ちょうどいい具合に、この小説について語り合う「本好きの会」がありました。そこの実況中継を、ちょっと、お伝えしましょう。 司会者(60代) なんか、まとまりませんね。この後、みなさん「恋愛小説とは」の話で盛り上がったのですが、割愛します。 というわけで、なんと申しましょうかという結論でした。追記2019・11・03 映画が公開されたようで、みなさん、拍手喝采のようですが、ちょっと考え込んでしまいますね。そりゃあ、こう書けば売れるでしょうよ。お次は映画で、こう作れば売れるでしょうというのでしょうか。 要するに商売ですから、文句をつける筋合いではないのですが、キャッチコピーで「何度でも読み返せる」とか、イケメン映画スターがいってるのを読んでカチンときました。 ヨイショだか、冗談だか、こういう与太は休み休み言ってほしいと思いましたね。時代的、社会的背景は「書き割り」そのもので、そこで垂れていらっしゃる蘊蓄は上から目線むき出し。恋愛話は陳腐で紋切り型。いったいどこに繰り返し読むところはあるんですかね。いろいろ教えていただいてありがとうございますとか、言いいながら読むんですかね。 とか何とか、言いながら、ちょっと映画も覗いてしまいそうなのが怖いですね、別に怖くはないか。通俗の強さとでもいいましょうか。 追記2022・11・28 ボタン押してね! にほんブログ村 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2024.02.18 12:01:17
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