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カテゴリ:読書案内「現代の作家」
「2004年《書物》の旅 (その7)」 おれのPHSの裏側にはプリクラが一枚貼ってある。おれのチームのメンバー五人が狭いフレームになだれ込ん写っている色あせたシール。フレームの絵柄は緑のジャングル。バナナめあての下品なサルたちがスイングしている。それはこっちの世界と変わらない。プリクラの中には、ほっぺたとほっぺたをくっつけて、最高に面白い冗談を今聞いたばかりって顔が並んでいる。もちろん、ヒカルもリカもいる。なにがそんなにおもしろかったのか、おれはおぼえていない。そんなシールをいつまで貼ってるんだっていうやつもいる。そのたびに「夏の思い出」とか「過去の栄光」とか適当にこたえる。だけど、本当はなぜなのか、、おれにもよくわからないんだ。 1997年オール読物推理小説新人賞をかっさらった石田衣良「池袋ウエストゲートパーク」冒頭の文章。2004年には「池袋ウエストゲートパークⅢ 骨音」が文春文庫で出ていた。その時に「読書案内」したのがこんな文章だった。 ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ 休み中に読んだ中で石田衣良「池袋ウエストゲートパーク」(文春文庫)シリーズが一押し。TOKIOの長瀬君が主演でテレビドラマ化されたことがあるらしい。噂の窪塚洋介君もでていたと我が家のアホ娘が教えてくれた。ナルホド! 残念ながら僕は見ていないので、原作と比較することはできないが、長瀬君というのはちょっとイメージが違うのではないだろうか。 ところで、とりあえず推理小説だから話の筋は端折るけれど、原作は東京・池袋の西口広場公園で起こる事件をめぐって少年・少女達が活躍するお話。主人公で語り手である名探偵「まこと君」はお母さんがやっている果物屋さんの店番をしているのだが、現代の都市社会の光と影を具現化したような登場人物や、彼らが引き起こすトラブルと<ピュア>に、そして<律儀>に戯れている。 「チャイコフスキー 弦楽セレナード」「亡き王女のためのパヴァーヌ」「リムスキー・コルサコフ シェーラザード」「マレイ・ペライア イギリス組曲」「武満徹 精霊の庭」「スティーヴ・ライヒ 十八人の音楽家のための音楽」「バッハ マタイ受難曲」「ハイドン 十字架上の七つの言葉」「バッハ 平均律クラーヴィア曲集」「ワーグナー 歌劇パルジファル」「エンゲルベルト・フンパーディング ヘンゼルとグレーテル」「ヘンデル 水上の音楽」「シューベルト 死と乙女」 以上が「池袋ウエストゲートパーク」「少年計数機 池袋ウエストゲートパークⅡ」「骨音 池袋ウエストゲートパークⅢ」(それぞれ文春文庫)の中で「まこと君」が事件のBGMとして聞いている音楽。 にほんブログ村 にほんブログ村 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2020.12.20 20:15:50
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