ますむらひろし「ゴッホ型猫の目時計」(小学館)
偉大なる「ヒデヨシ」様の生みの親、マンガ家ますむらひろしの「ゴッホ」です。棚を片付けていたら出てきました。これは案内しないわけにはいきません。
「跳ね橋」アタゴオル版
寂しさは、どこからくるのだろう。
それは、たったひとりで居るからだ.
アタゴオルの跳ね橋を渡る
荷象車のなかには
スミレ博士の声が
タラフクつまっている。
「ひとりぼっちより ふたりぼっちが いいぞお」
裏表紙は「糸杉」とあそぶヒデヨシとテンプラ。
夜ごと「ゴッホの手紙」を読み、何度も作品を眺めていると、百年もたったのにゴッホの絵具たちが、画布の上でまだうごめいているのに気づく。あの絵具たちはいまだに乾いていないのだ。なぜ乾かないのか。それはたぶん、世界がいつも乾いていることに歯軋りしているからなんだ。
あとがきに、こう記しているますむらひろしはゴッホをなぞりながら、その世界にヒデヨシやテンプラを遊ばせる。宮沢賢治の世界や、葛飾北斎の世界のときもそうだったように、アタゴオルの世界がここにも広がっていく。それが楽しい。
追記2019・11・11
「ますむらひろし北斎画集 ATAGOAL×HOKUSAI」(風呂猫)という画集もあります。また案内しますが。
追記2022・04・23
ますむらひろしさんのアタゴールの世界は忘れてほしくない傑作だと思うのですが、案内しきれていません。
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