「信州から秋のたより」 ベランダだより 2019年12月
信州は松本、筑摩神社の境内の公孫樹の木です。さすがの大木ですね。 美しき 銀杏落葉を 仰ぐのみ 星野立子
こんな感じですかね、おや、木の下で銀杏を拾っている親子連れがいますね。
銀杏の 一つ拾ひに 子の加勢 平畑静塔
母と子と 拾ふ手許に 銀杏散る 高浜虚子
実を言うと、我が家の「愉快な仲間」松本支部カガククン家のチビラ4号ユナチャン姫とサキチャンママですね。ユナチャン姫は、そろそろ2歳ですね。ママと仲良く遊んでいる写真が届きました。ひとつづつ銀杏を拾ってくる動画なんですが、見ながらチッチキ夫人が悲鳴を上げました。
「ああ、お洋服が臭くなって、とれなくなるよ!」
でも、何だか、動画の中のサキチャンママは平気そうです。指の匂いを、チビラちゃんと二人で嗅ぎ合って笑っています。はてな、と思っていると小包が届きました。
中にはきれいに処理された、たくさんの銀杏と、サキチャンママからのお手紙が入っていました。
「筑摩産の銀杏でございます。しっかり実の部分がとれておらず、お陰で、よいかほりがするかと思いますが、お召し上がりくださいませ。♡」
長野県民は、こういうことは得意なんだ。いやー、おみそれしました。銀杏が小包で届くなんて、初めてです。うれしいですね。
少し煎って、皮をむくとうつくしい実が出てきます。この緑色を「翡翠」と詠んだのは森澄雄でしたかね。
ぎんなんを むいてひすいを たなごころ 森澄雄
銀杏の にがみは二つ 三つほどに 岸田稚魚
ちなみに、一緒に写っているのは、信州の「かりん」ではありません。団地の生垣に生っていた「かりん」の実です。こっちは、とてもいい香りですが、食べられるわけではありません。
こんな句もありました。
かりんの実 天賦をとめの 薫りの実 中村草田男
かりんの実 いつもそつぽを 向いてをり 田中芙美
松本では薪ストーブがあかあかとあたたかく燃えているようです。もうすぐ冬ですね。2019・12・01
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