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カテゴリ:映画 フランスの監督
レミ・シャイエ 「ロング・ウェイ・ノース 地球のてっぺん」元町映画館
今日は日曜日なので、映画はパス。働いている人たちには、誠に申し訳ない言い草なのだけれど、徘徊老人は日曜の混雑した映画館が苦手。そんなことをうそぶきながら、元町映画館のスケジュールを開くと、なんとワイズマンの特集が始まっているではないか。 「あ、ヤバイ!来週やと思い込んでた。エー、そうすると、ああ、今日、ロング・ウェイ・ノースを観とかんとアカンやん。」 何のことかといぶかしくお思いでしょうが、今週ワイズマンが立て込んでいるということは、他の映画を見る余裕がなくなりますね。この映画の字幕版は今週限りなのです。日本語吹き替えがあまり好きではない、(べつに外国語が分かるわけではないから、単なる好み)徘徊老人は、急に思い立って一言。 「ちょっと、元町行ってくるわ。」 というわけで、やっぱり一人徘徊出発です。なんと、おにぎり、コヒー付きの至れり尽くせりの徘徊です。。 日曜の元町映画館、午後6時。ヤッパリ、けっこうお客さんはいましたね。席に着くと、さっそく、おにぎりを頬張って、コーヒーで一息です。ちょっと取り合わせがおかしいですが、チッチキ夫人のありがたい心づかいですからね。 おっと、映画が始まりました。 船の汽笛が聞こえて、港から出ていきます。少女と母親が見送っているようで、船では白髪の老人が手を振っています。 時代は1880年代のロシア、サンクトペテルブルグの港です。少女の名前はサーシャ、白髭の船長が北極点を目指す探検家で、彼女の最愛の祖父オルキンです。祖父が乗っているこの船が最新の砕氷船(?)ダバイ号。 華やかな船出とは裏腹に、やがてダバイ号は消息を絶ちます。皇帝は100万ルーブルの賞金を懸けて、船と探検隊を探させますがその行方は杳として見つかりません。 孫娘サーシャは、祖父の部屋から、その計画の海図を、偶然、発見し、捜索が見当外れであることに気付きます。ここから、サーシャの冒険が始まりますが、波乱万丈、ドキドキ満載の展開は、徘徊ゴジラ老人も大満足の結末まで続きます。 主人公サーシャ、北極海に面した港町アルハンゲリスクの酒場の女将オルガ、少年水夫カッチ、サーシャを乗せるノルゲ号の船長ルンド、登場人物たちの表情が素晴らしい。 とてもハスキー犬とは思えない登場の仕方だったのに、サーシャの命を救うシベリアン・ハスキー、カモメや海鳥、もちろん、シロクマも、出てくる生き物の絵の面白さがなんとも素晴らしい。 海、空、、雲、降りしきる雪、ブリザード、崩れ落ちる氷壁、流氷、真っ白な雪原のシーンも素敵です。 北極圏の白いだけの自然描写が、どうして、こんなコントラストがついて、リアルに見えるのか、ため息ものです。見た目には、たとえばジブリアニメとは全く対照的な素朴な印象なのですが、こういうリアルもあるのだと納得させてくれた映像でした。 1880年には、あるはずのないペニシリンに、ちょっと「えッ?」と思いましたが、最後のシーンで、北極点に祖父オルキンが立てた小さな紙の旗が抜けるというオチがあって、で、エンドロールが終わる、その時、ちょっと笑えてOKでしたね。 先日の「ディリリとパリの時間旅行」にも感心しましたが、こんなアニメを見ているフランスの子供たちはいいですね。 監督 レミ・シャイエ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2023.12.27 22:41:13
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