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ゴジラ老人シマクマ君の日々

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2020.02.18
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​​​​カレン・シャフナザーロフ 「アンナ・カレーニナ ヴロンスキーの物語」
                                                                                   シネリーブル神戸
「戦争と平和」に挫折した僕のトルストイ体験は「アンナ・カレーニナ」で終わっています。何に感動したのか忘れてしまったのですが、「アンナ・カレーニナ」が映画になったと知ったら、思わず「観なくっちゃ」と思うところがアホですね。とにかく映画館の椅子に座っていました。​​​​

 日露戦争の戦場の場面が繰り広げられています。場所は、いわゆる満州か、きっと、内モンゴルのあたりですね、ここは。木の生えていない丘とも草原ともつかない風景には見おぼえがあるような気がします。
​「おおーっ、アンナ・カレーニナには子供がおったんや。それが、ここに登場するとは思わなかったなあ。」​
 ​​アンナの息子と、アンナの不倫相手が、この戦場で再会する。まあ、再会と言えるかどうか難しいのですが、しかし、まあ、という感じで映画は始まりました。​​
​​​ アンナの死から30年以上もの歳月がたっているのですが、あの時、幼い少年だったはずのセルゲイ・カレーニンが軍医として従軍し、日本軍の砲弾で怪我をした大佐を治療する。その患者こそが、なんと、憎むべき母の恋の相手、アレクセイ・ヴロンスキー伯爵であったというわけ。​​​
​ 「ああ、そういうことか、それなら新しい映画になるわな。」​
 母の死と、家族の崩壊の元凶である伯爵は、その死の真実を語り始める。果たして、その真相やいかに?
​​​ 青年将校であったヴロンスキー伯爵と深みに落ちてゆくアンナ・カレーニナの日々。宮廷競馬、舞踏会、桟敷席から見下ろされるオペラ座の客。宮廷社会から見捨てられてゆくアンナ。ロマノフ朝の貴族社会の残光が華麗に映し出されています。​​​
​ 情事の後、アンナがなんという服なのかわからないのですが、当時の貴族の女性が着る、あの服を着るシーンが印象的でしたね。​
​ 「そうか、そういうふうに重ね着してゆくのか。ふーん。胴を締めるのは、そりゃあ、自分ではできんな。召使がおる世界じゃないと無理やなこれは。納得!」​
​ 納得するところを間違えているのかもしれませんが、逆に、納得がいかないなあ、そう感じたのはアンナの死に至る心情についてでした。​
 映画を観ていて「狂う」ことのドラマ上の解釈が、いかにも現代的であるようにぼくには思われました。病理的というか、精神医学の対象としてのというか。それは違うんじゃないか、そう思って座っていました。
​ もっとも、見ているときは、昔、読んだ小説中で、アンナが果たして自殺したのだったかどうかがあやふやだったのですから偉そうなことは言えませんね。​
 記憶では、女主人公は「汽車」と言う新しい文明の利器に乗って出発する「新しい女」だったというものなのというものなですから、まあいい加減な話なのです。
 映画は語り終えた伯爵が、燃え盛る戦火の中で中国人の少女を探しながら終わるのですが、実は、この少女が何を表しているのか、結局わかりませんでしたね。
 劇場を出たら、もう暗くて、信号機の赤やミドリのライトが印象的に輝いていて、大丸の東側のホテルのウィンドウがオレンジがかっていて美しかった。映画も、そんな印象でした。

監督: カレン・シャフナザーロフ
原作: レフ・トルストイ  ビケーンチイ・ベレサーエフ
脚本: カレン・シャフナザーロフ
キャスト
  エリザベータ・ボヤルスカヤ:アンナ・カレーニナ
  マクシム・マトベーエフ:アレクセイ・ヴロンスキー伯爵
  ビタリー・キシュチェンコ:アレクセイ・カレーニン伯爵
  キリール・グレベンシチコフ:セルゲイ・カレーニン
  マカール・ミハルキン:セルゲイ・カレーニン
原題 Anna Karenina. Istoriya Vronskogo
製作年 2017年
製作国 ロシア 2018・11・12・シネリーブル神戸no43

追記2020・02・18

 一昨年、見た映画です。以前書いてほってました。設定の仕方が面白かった印象があります。
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最終更新日  2024.01.04 22:29:14
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