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ゴジラ老人シマクマ君の日々

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2020.03.02
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​ピーター・ジャクソン「彼らは生きていた」シネ・リーブル神戸

​​​​​​​​​ ほとんど引きこもっていたような二月が終わろうとしていました。世間は新型のインフルエンザの話題で持ちきりのようです。ほんとに出かけていく気力を失います。
​ インフルエンザといえば、最近、第一次世界大戦物が目につきます。予告編を見ていて惹かれたのがこの映画でした。「ロード・オブ・ザ・リング」という映画を見ていませんからピーター・ジャクソンとか言われても、実は誰のことかわかりませんでした。妙に美しい戦場の色彩に惹かれたのでした。​
 神戸駅から元町商店街を歩いて、シネ・リーブルまでやってきました。いつものコースです。途中のイスズ・ベーカリーでアンパン、カレーパン、ソーセージ・パン、あれこれ買って、コーヒーは持参していましたから、これで映画鑑賞昼食です。
​​ 久しぶりのシネ・リーブルは、やっぱり、すいていました。コーヒーを一口飲んで、ソーセージ・パンをかじっていると、白・黒の記録映画の画面で映画は始まりました。見たのはピータ・ジャクソン監督「彼らは生きていた」です。​​
​​​ イギリスから、戦争に行って、生きて帰ってきた人たちの「ことば」が語られていて、それが、今現在も生きている人が、実際にしゃべっているのか、すでに死んでしまっている人の「ことば」を誰かが、セリフとして読んでいるのかはわかりません。​​​
​ イギリスは、この戦争に1914年に参戦したわけですから、いくら若くても、当時十代後半の人たちが、生きていれば120歳を越えるわけです。だから、誰かが従軍記録を読んでいる映画だとは思いますよ。​
​ 何人もの「行って、帰ってきた話」が続いていますが、画面は記録映画のままです。久しぶりのウトウト感に襲われて、ハッと目覚めると世界が一変していました。​

​​ さっきまでの記録映画的チカチカ白黒画面が、フル・カラーの現代映画画面に、世界で最初に創られたイギリス軍「マーク」型戦車、砲塔のない菱形で全身キャタピラの戦車ですね、が写っていました。​​
 ここから、戦場の様々な場面が、リアルなカラー映像で、音も人間の表情や言葉も、今、そこにあるシーンとして映し出されてゆきます。残念ながら飛行機と艦船のシーンがあったかどうかは、気付きませんでした。しかし、それにしても見とれてしまいました。ナレーションは続いています。

 そして再び眠くなってしまいました。画面の中で動いている部分と、止まっている部分があるように感じました。その視覚的な違和感が気になり始めると、眠さが拡がってしまうのです。
​ 戦場の青年たちは生き生きと生き返り、戦場での束の間の笑いに興じています。砲弾の炸裂するシーンは、もう、美しいというしかない様子です。地面に転がっている山盛りの死体たちはリアルに、もう一度、死んでいました。​
​ しかし、何かが、決定的にずれているような、ある不安な感じが「眠り」に引き込もうとしているようでした。これは、ある種のカン違い、錯覚に気付かせない、大いなる錯覚じゃないでしょうか。そうでもないんでしょうかね。​
 再び白黒の画面に戻り、懐かしい音楽が流れてきました。何だか、いいようのない、ホッとした気分を味わいました。
​​ いい、悪いはともかく、映画だからできることだと思いました。素直にドキュメンタリー映画とは言いにくい気分でした。それにしても、これには、相当な手間がかかっていることは間違いないだろうし、すごいことができる「時代」になったものだと​​思いました。​
監督 ピーター・ジャクソン
製作 ピーター・ジャクソン  クレア・オルセン
製作総指揮 ケン・カミンズ  テッサ・ロス  ジェニー・ウォルドマン
編集 ジャベツ・オルセン
音楽 デビッド・ドナルドソン  ジャネット・ロディック

2018年 99分 R15+ イギリス 原題「They Shall Not Grow Old
20200227シネ・リーブル神戸no44
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最終更新日  2023.12.04 01:57:41
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